都内屈指の観光スポットである下町の風景を眺めながら暮らせる場所に、「Craft」の部屋はあった。
2年前、Tさんは友人の勧めでこの部屋に出会い住み始め、先日更新をしたばかり。
ここが最高で気に入っているという。
ラーチ材のユニークな木目が目を惹く居室は、アート作品が似合いそうなアトリエ風の仕上がり。
1枚1枚施されたキッチンのブルータイルもカントリー風でお洒落。
空間をさりげなくゾーニングしてくれる三角屋根は部屋に入ると真っ先に目に入り、なんとも印象的。
アンティークゴールドのペンダントライトなど、こまかなところまでていねいに仕上げてあり住めば住むほど愛着が沸く空間となっている。
「もともとは渋谷に住んでいたけれど、手狭だったこともあり生活を変えるため2年前にこちらに引っ越しました。ここを紹介されたときはすごくうれしくて。」
広くて見晴らしが良く、仕事場へのアクセスもしやすい。
下町という立地も楽しめる、最高の条件が揃った部屋。
Craft(技能、技巧、わざ)という名の空間で、Tさんはまるでアートを作成するようにハイセンスな生活をクリエイトしてきた。
「今年の初めごろからフルリモートです。こんなに長時間部屋に居ることは今までなかったので、せっかくだから仕事用のデスクやチェアを用意して快適なワーキングスペースを造りました。」
いかにも使い勝手が良さそうなデスクは、なんとイケアで購入した脚に天板をのせただけの自作。
デスクを置くだけでリビングとのゾーニングがきっちりとできる部屋の造りにも、Tさんはとても満足している。
これまでは、会社へ出勤する途中でオンオフを切り替えて気持ちを整理していたが、リモートとなるとその作業が難しくなる。
そこでTさんは、仕事環境を整えるだけでなく近所の散歩などを取り入れ生活リズムをまるごと整えることにした。
「今ではものすごく快適です。デスクに座れば仕事モードのスイッチが入るし、窓を開け放って外の景色を眺めれば解放感で最高の気分転換になる。長い時間家に居ることが、むしろとても幸せです。」
快適な環境があれば、生活だけでなく仕事の質も上がっていく。
Tさんの作り上げた空間は、あらゆる効率をぐんと上げてくれる究極の形だった。
「これやったら面白そう!」と感じたら即アクションを起こす行動派のTさん。
会社の業務だけでなくインスタグラムを使った餃子部や離島にある図書館の企画など、たくさんの「楽しいこと」を創造し、追求してきた。
また、大学でデザイン工学を専攻していただけあって、インテリアや空間造りの仕方やこだわりぶりもプロフェッショナル。
訪れた友人はみんな「ここお洒落だね!」と言ってくれる。
そんなお洒落な部屋で、みんなで餃子を包んだり鍋料理を作ったり、とそれぞれ気ままに楽しんで帰っていく。
誰にとっても、とことん居心地の良い部屋なのだ。
「ここは何もしなくてもお洒落なのがいい。だから余計なことや無駄なことは一切しない。めちゃくちゃわかりやすく普通の部屋とは違うけれど、すべてがさりげなくていやらしくない。たまらなく気に入っています。」
さりげないけれどかっこいい、という在り方はTさんの生き方にもそのまま当てはまるような…。
Tさんの自由な発想と行動力によって生まれた「部屋」という名の作品に、ただただ感嘆してしまった。
Text: Yuzuka Matsumoto
Photograph: Yoshinori Tonari
LATEST ARTICLES 最新記事
2024.04.05
2024.03.08
2024.02.09
2024.01.12
2023.12.01
2023.11.03
2023.10.06
2023.07.07
2023.06.13
2023.05.16