File No.064Wasabi M.Oさん work:インターネット広告事業

プリミティブな部屋に足していく
自分らしいアイディア

和とモダンの様式を細かなディテールに融合させた「Wasabi」。表情豊かな節を生かした無垢床と、打ちっぱなしのコンクリートにペイントを施した壁にダクトをそのままにしたことでスタイリッシュさと無骨な空気が同居する。

「この部屋を見た瞬間に、この素材づかいに衝撃を受けてここに住もうと決めたんです。所謂一目惚れでしたね。」

もともとデザイナーズの部屋を探していたOさん。しかし、心から納得できる住まいが見つからずインターネットで探し続けていたところREISMに出会った。他にはないユニークな空間づくりに惹かれて本サイトで部屋を探し続けていたときに目にしたのが「Wasabi」だったという。

「本当は他の部屋を内見していたんですが、まだ公開前だったこの部屋がどうしても気になって。担当者さんにお願いしたらこの部屋を見せていただけたんです。ずっと木材の素材感をふんだんに感じる部屋を探していたことと、このワンルームの広さ、立地も魅力的で即決でした。」

自分にとっての最適解がまさにこの部屋。まだ住み始めて1年ほどではあるが、既に自分なりの部屋へとアップデートされ始めている。

「コンクリートの壁のざらっとした感じが気に入っているのと、白いペイントが部屋を明るくしてくれている気がします」と語るOさんは見せる収納を意識することで差し色を。一方で統一感と、床の表情を生かすことやあくまでミニマルなインテリアを目指している。

REISMマガジンの記事を参考にしたり、ピクチャーフレームの使い方を試行錯誤したりと随所にオリジナリティを感じさせる。ディスプレーされたスニーカーはお気に入りのものだ。



ライフスタイルに寄り添う空間を叶えてくれる

初めての一人暮らしを始めただけでなく、転職という転機を経て仕事面での変化もあったことで家での過ごし方が変わってきたという。リラックスする時間も娯楽の時間も、そして仕事の時間もすべてがこの部屋の時間へと集約する。そんな中で大切にしているのが「リラックスできながら、緊張感ももてる空間にする」こと。

「最近転職をして、インターネット広告の動画に関する企画などを行う仕事に携わっています。手を動かして編集作業をするだけでなく頭を使って考える時間が増えたこと、そして在宅ワークがメインになったことはかなり大きな変化でしたね。この部屋、特にソファは仕事や食事、Netflixを見るなどなんでも行う場所ですね。だからこそ、部屋はきれいな状態を保って仕事に集中したいですしリラックスするときも整った部屋で過ごしたいです。」

可能な限り、部屋にはものを置かず広さを感じさせることと大きな窓から入る陽の光による相乗効果、窓つきのスライドドアが開放感を滲ませるこの部屋。至るところに掃除用具が置かれているのも、この部屋への向き合い方を感じさせている。生活する空間に対する姿勢は、もしかすると自分のライフスタイルにも通ずるといえるかもしれない。

棚したにあるポールラックを使いながらも、デッドスペースとなってしまう空間には背の低いチェストを配置。ベッドの配置からインテリアを決めていったことで、備え付けの機能を活用しつつも無駄のない収納を実現した。

ポールスタンドを活用した見せる収納技が特に光る玄関。限られた収納を独自に拡張することで、コレクションしているスニーカーもおしゃれに収められている。その中でもこだわったのが、小物を置くスペースだ。他の段より幅を広くとることで、愛犬の写真や鍵置きなどは実用性を備えたディスプレイとして楽しんでいるという。



毎日を彩るための起点が生まれる場所で暮らす

「この部屋の気に入っているポイントはたくさんありますが、一人暮らし仕様とは思えないほど広いキッチンが自慢のポイントではないでしょうか。このキッチンのおかげで、料理を趣味だといえるくらいに楽しんでいる自分がいます。」

スライドドアで仕切られたキッチンは、IHの二口コンロを備え付けている。また、足元に空間があることで電子レンジなど大きい家電を収納できるだけでなく圧迫感を軽減した。特筆すべきはシンク横のワークトップの大きさだ。何もかもが贅沢といえるほどに広く、スタイリッシュ。

「休日は買い物へ行き、午後の時間をたっぷり使って料理をする。もともと作ることが嫌いではなかったのですが、この部屋とこのキッチンだからこそ変化した一番の暮らし方かもしれないですね。」

自身で食べるだけでなく、パートナーに料理を振る舞うことも多い。食器や調味料の種類が豊富さから、料理を楽しむ姿が見て取れる。

都心に近く交通のアクセスがいいことで自転車での移動に負担がなく、また、仕事後の時間も充実させられるという。幼少期から続けているサッカーは今でも大切な趣味のひとつ。

「多いときは毎週、土日や平日もたまに仕事の後にサッカーをするのが趣味です。中学校、高校の部活仲間や大学時代の友人たちと、気を遣わずにサッカーに打ち込む時間がリフレッシュになっています」

仕事も趣味も、自分の生活を多彩に楽しむための出発地点となるこの部屋。作り込まれ過ぎていない素材感のある空間は、自分らしく快適に過ごすためにいかようにも変化し、寄り添ってくれるのだろう。



Text: Marin Kanda
Photograph: Hiroshi Yahata