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File No.028Union Tさん work: Webディレクター

一本のカウンターが、ミニマムライフの
世界をより面白く変えていく。

渋谷や代官山まで徒歩圏内。カフェやアパレルショップ、アートギャラリーなど注目のスポットが集まるハイセンスなエリアにあるのが、Tさんの住む「Union」の部屋。

ひとつひとつの表情を味わえるパーケットフローリングに、ブラックのアクセントが効いたモダン空間。壁面に設けられたのはキッチンからつながるロングなワークトップ。作業台やデスクとしても活用でき、ハンガーラック付きなので洋服の収納も可能。リズムのリノベーションならではのコンクリートの質感も楽しめる。

「この1本の長いカウンターをどう活用するか?がメインテーマでした。」広さとカウンターのインパクトから、一目でこの部屋を気に入ったTさん。色々な人の部屋写真のインスタグラムを見て参考にした他、一番重要であるカウンタ―の使い方は、REISMの担当者に相談して考えたという。

カウンター下を賢く使えば、意外と収納スペースがたっぷり確保できる点もおおいに気に入った。「リノベーション」という切り口からREISMと出会い、担当者と二人三脚で作り上げた部屋はTさんにとって「とにかく心身ともに休まる」とっておきの空間。

必要最低限のモノだけを厳選して置く。できるだけいらないモノを買わない、増やさない。極力、余計なものをそぎ落としてミニマムに。

数々の鉄則のもと保たれているすっきりと整理整頓された空間には、とても静かで清らかな空気が漂っている。

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調理は一切しないので、キッチンは身だしなみスペースとして活用。グラスやコーヒーなど必要最低限なものだけを置き、まるでホテルのアメニティコーナーのような雰囲気。

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10年ほど前に買ったカリモクのソファは、つねにそばに置いているお気に入りの家具。味わい深いパーケットフローリングとの相性も抜群。


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良いモノだけを選び、そばに置きたい。
部屋が、ヒトのマインドを動かす。

「できる限り、この部屋には生活感を漂わせたくないんです。」

Tさんはその言葉通り、部屋で一切自炊をせず、食事すらとらない。会社近くや自宅近くの飲食店で外食をし、部屋には臭いの強い飲食物を絶対に持ち込まない。生ごみや食事の臭いは生活臭となり、生活感へと直結する。オンオフの切り替えをする上でも、この部屋はあくまでも「休む空間」であり続けることが必要なため、徹底的に生活感を排除しているのだ。

「この部屋に来てから、あまり余計なモノを買わなくなりました。新たに買ったのは、カウンターでの作業用に使っているこの椅子や他のモノをちょこっとくらいかな。買う時は、どうせなら良いモノだけを厳選します。そうすることで全ての『やる気』へとつながるんですよ。」

モノを選ぶ上で、その性能はもちろんのこと、「見た目」を重視するTさんのこだわり。そこには徹底して生活感を排除する姿勢と相まって、ほぼ「様式美」に近いスタイルが生まれている。

この部屋に来てから、あらゆる考え方や行動に変化が生まれたというTさんは、こう語る。

「なんだか自分でも驚き。まさに、部屋に動かされた感じです。」

ここにまたひとつ、部屋と住人による最高のグッドケミストリーが生まれた。

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生活感を一切カットしたいから、空間の匂いにもこだわる。数あるディフューザーやフレグランスの中で今一番好きなのは、ホワイトティーの香り。

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靴を入れる箱は、別買いで用意。家電や家具に至るまで色を合わせ、部屋全体のトーンを統一することで質の高いくつろぎ空間を実現している。


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外ではきっちり、部屋ではとことんのんびり。
この使い分けが、日々の活力になる。

「ここに住んで半年。とても便利なエリアなのに、部屋はすごく静かで過ごしやすいです。仕事から帰ったら安心しきってすぐ寝ちゃいますもん…。」

たまに少しカウンターで作業をするくらいで、家ではなるべく仕事をしないようにしているというTさん。オンオフのスイッチを完璧なまでにカチッと切り替えている。

以前は10年ほど代々木に住んでいたが、職場により近いこのエリアに引っ越してみたら、とても静かで最高の環境だった。休日には渋谷や代官山へぶらぶらと歩いて行き、たくさんのトレンドを五感で吸収する。引っ越して以来、自宅のある付近で過ごすことがとても多くなった。

外できっちりと過ごしている分、自宅では思いきりリラックスし、また新たな気持ちで活躍したい、というニーズに見事にハマっているこの部屋は、Tさんの人生の幹となる空間。

部屋自体のシンプルな造りと生活スタイルのニーズが見事にマッチしたことで生活感を切り離し、Tさんにとって本当に心地の良い空間を作り上げることができた。

ここはまさに「オーダーメイドリノベーションルーム」と呼んでも良いほどの、誰もがうらやむ理想郷だ。

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衣服や普段使わないモノなどは、カウンター下をフルに活用。隠してはいるけれど、ボックスのチョイス次第でお洒落な「見せる収納」へとレベルアップする。

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徹底した「黒と白の世界」。色をたくさん使わない、色で部屋を散らかさない。シンプルでミニマムな暮らしの鉄則は、差し色さえも極力抑えること。

Text: Yuzuka Matsumoto
Photograph: Yoshinori Tonari