プロが使う厨房のように、本格派。料理好きの方に向けた
リノベーション物件「Kitchen」があるのは、つねに
人気ランキング上位のエリア。駅からの道の途中には
こだわりの古書店やステーショナリーショップ、
カフェや古着屋などがあるので、ぶらぶらするだけで
街を堪能できるのも嬉しい。
「Kitchen」は名前通り、台所がメインテーマの部屋。
「サイトから探して、迷わずこの部屋に決めました。見つけた時は、
一人暮らし用の部屋でこんな立派なキッチンがあるなんて!とまるで
オアシスを見つけた時のように感動したんです。」と語るのは
この部屋に住むSさん。
オーク材の無垢フローリングの素材感と、ステンレスやモルタル、
むき出しのコンクリートなどの無機質感が心地良くマッチした空間。
作業台や収納棚として活躍するカウンターに立てば室内を一望でき、
とっておきの時間が味わえる。ツールや食器を飾るように
レイアウトできる可動式の棚やバーがあるのも料理好きには嬉しいポイント。
居室にはしっかり収納できるクローゼットもあり利便性も高い。
大きな窓から差し込む光を浴びながら、広々としたキッチンで
思う存分料理作りを楽しめる。もともと料理好きなSさんが
即決したのはそんな理由からだった。
引っ越したその瞬間から、Sさんにとってかけがえのない
贅沢かつ優雅な新ライフスタイルが待っていた。
「ファミリーユースの部屋だってここまで本格的なキッチンを
採用しているところはめったに無いでしょうし、実際調べてみても
イマイチなものが多かった。アイランド式は一気に高くなるし。
その点、この部屋は自分の要望にすべてピッタリハマったんです。」
大学時代の4年間はずっと和食の店でバイトをし、実際に料理も
作っていたというSさん。得意料理は魚のお造りやカマの煮つけ、
炊き込みご飯などどれも本格的で、その腕前はかなりのもの。
とにかく趣味の料理がしたくてこの部屋に入居を決めたSさんは、
部屋のサイズに対してアンバランスなほど大きなキッチンに魅かれ、
「これこそ料理をする自分のための部屋だ!」と思った。
友人を招いてのホームパーティでも、Sさんの作る料理は大好評。
和食はもちろん、中華から洋食までなんでもござれ。
大きくて深いシンクなら、大きな魚をさばくにも不便はないし
まさに由緒正しき「人を呼べる部屋とその住人」だ。
訪れた人たちはみんな、部屋を見るなり
「あー、なるほど!Sさんらしい」と納得すると言う。
厳選された土鍋や玉子焼き器、まな板、包丁、フライパンなどの
どれもよく使い込まれ、「育って」いる。インテリアとしてだけじゃなく、
実用重視のSさんにふさわしいアイテムたちは
どれもキッチンを盛り立て、グレードアップしてくれる立役者だ。
「とにかく自分にとって、自室となる場所は実用性重視!
ここは厨房の中に部屋がある感じで、仕事をするにも
趣味に没頭するにも最高の空間。大好きですね。」
Sさんの言う通り、ここにはムダなモノが一切ない。
仕事に役立ち、その質を高めるための書物が詰まった収納棚、
使いやすい機能的なデスク、REISMのプレゼントでもらったという
リグナのテーブルも、ガラス下にディスプレイする本を厳選。
細部にいたるまで、とても知的な印象を受ける。
「むき出しのダクトやコンクリートの質感まで好き。
収納は多いし、まさに言うことなしの部屋です。」
自宅でも、仕事や勉強はよくする。そしてそれ以外の時間は
ほとんど料理を作り、作った料理を食べながらキッチンの
カウンターでくつろぐ…。
引っ越しを機に、激変したSさんのライフスタイル。
部屋で過ごすすべての時間が、自身を高め、昇華してくれるものとなった。
Sさんが高校生の頃に出会った一人の教師が
今の道へと導いてくれた。ずっと勉強し続ける姿勢と味の探求は
これからもきっと変わることはない。Sさんの毎日は、
今こうして自身にふさわしい空間で優雅に営まれている。
Text: Yuzuka Matsumoto
Photograph: Hiroshi Yahata
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