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ゴトゴト、チンチン、路面電車に乗って。
懐かしい街並みへタイムトリップ。

東京メトロ日比谷線の「三ノ輪」駅。明治通りや昭和通り、日光街道、国際通りなどが駅の周辺を通っており、バスでの移動も便利。都電荒川線の「三ノ輪橋」停留場は古き良き時代を感じさせるレトロな場所。生活の足である荒川線だけど、ゆっくりと走る路面電車は、まるでタイムマシーンに乗って旅をしているような楽しい感覚に。また、三ノ輪から南千住駅へも徒歩5分以内で行けるのでJR常磐線も利用することができる。駅の周辺にはスーパーなど多くの大手ショッピング施設が充実。24時間オープンの店もありとても重宝する。三ノ輪病院や根岸図書館のほか郵便局や銀行、警察署、教育施設、飲食店などもあり、生活施設がとてもバランス良く揃っていて便利。かつては日雇い労働者の為の簡易宿所などが連なっていたが、いまではそんな宿を目当てに多くのバックパッカーが訪れている三ノ輪界隈。海外からの旅行者の需要を見越した海外スタイルなドミトリーホテルなども多く点在している。これからどんどん国際的な街へと発展していく、今注目のエリアだ。

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暮らしの台所が、大充実。この街の便利さを
知ってしまったら、もう離れられない。

都電荒川線の線路沿いに位置する商店街「ジョイフル三ノ輪」。まっすぐに伸びたちょっとレトロチックな400mの長いアーケード街には、暮らしに役立つ便利な店舗がズラリ。連日、地元の人々でとても賑わっている(ただし火曜定休日の店が多いらしい)。お惣菜屋さんの味自慢の惣菜は、買ってすぐに食べられるからその日の食事にすぐ役立つ頼もしい味方。そんなおふくろの味がうれしい総菜屋をはじめ、餃子専門店、鮮魚店、精肉店、菓子の店、業務スーパー、飲食店、ドラッグストアなどがびっしりと軒を連ねている。なぜか多数ある青果店では、あちこちの商店でおすすめの品が少しずつ違いプチ価格競争すら起こっているので、賢く買い物したい人にうってつけ。お洒落なカフェ&バーもあり、昔ながらの商店街でありながらきちんと新しい風も感じられる。そしてなんと気軽に利用できる銭湯まであるので、地元民がこの場所へ集うのもよくわかる。商店街での買い物を通じて生まれる人とのコミュニケーションもうれしい。一人暮らしでも寂しさを感じる暇もないくらいあたたかな下町情緒が、この街には確実にある。

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正統派グルメから、新しい発見へ。
日々変化する街で暮らす楽しさ。

有名なグルメスポットも多々ある三ノ輪。ミシュランガイド東京2015に掲載された行列のできるラーメン店では、とにかく繊細な味わいの見た目も美しいラーメンに出会える。開店から40年以上たった今も珈琲の書籍には必ずと言ってよいほど記載されているコーヒーの名店では、深煎りから朝煎りまで焙煎具合を選べる自慢のコーヒーだけでなく、インスタ映えしそうな「ターキッシュコーヒー」など心躍るメニューが多彩。他にも、国産の小麦粉や天然酵母を使用し材料にこだわったパン屋さんや、酒場放浪記でも紹介された大正17年創業の居酒屋など、味わうだけでなく「ちょっとネタになる」飲食店がとても多いのでぶらぶら散策しながら「行きつけの店」を見つけるのも楽しい。この街が持つ独特な安心感のせいか、近年では海外から来たゲストが増えている。IoTのある暮らしを体感できるスマートホステルや、アートと旅館を斬新に楽しめる「行燈(あんどん)旅館」など個性的な旅館が続々出現。行燈をモチーフに早稲田大学教授が設計した鉄骨造五階建ての建物がなんともユニーク。ワールドワイドな魅力を持つ街だからこそ、住む人にも日々心地の良い変化と刺激を与えてくれる。

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「一駅分歩く」より、「5駅分歩く」が断然面白い。
都心の沿線は変化と文化でいっぱい。

都電荒川線や日比谷線の「隣駅までとても近い」という特長を利用して散策してみる。たとえば荒川線で終点の「三ノ輪橋」まで行かず、5つくらい手前の停留所で降りて、三ノ輪橋を目指して歩けばとても楽しい沿線散策となる。荒川線「荒川二丁目」停留場のすぐ目の前に入口がある「荒川自然公園」は、三河島水再生センターの上に人工地盤を造って設置された広大な公園。「新東京百景」の一つで、季節の花見ができるだけでなく、レンタル野球場やテニスコートやプール(夏季のみ)もあるのでシーズンごとに遊べる憩いの場となっている。歴史探訪好きにはなんといっても「一葉記念館」がおすすめ。樋口一葉の住居跡近くに建てられた記念館で向かいには歌碑のある一葉公園、ゆかりのお稲荷さんもあるので、一葉の目線で体験型の散策ができる。素盞雄神社から三ノ輪、南千住にかけて行われる盛大な神輿祭り「天王祭」は、夏の訪れを告げる一大イベントとして人気。さらに三ノ輪付近から広がる山谷地域は昔からドヤ街として知られ、漫画「あしたのジョー」の舞台にもなったため聖地巡礼しているファンも多い。三ノ輪カルチャーは、ネタの宝庫。そんな街で暮らす日々も、味わい深く楽しい。