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新しさと昭和レトロが同居する「三軒茶屋」。
バランスの良さがこの上なく心地いい。

東急田園都市線で渋谷駅から1駅という好立地にあり人気の高い「三軒茶屋」。地名は、江戸中期以降、社寺参詣ブームで賑わった大山道と登戸道の分岐付近に信楽(後に石橋楼)、角屋、田中屋の三軒の茶屋が並んでいたことに由来する。半蔵門線にも直通運転をしているので都心部へのアクセスがしやすい。田園都市線と世田谷線の乗換駅で、関東の駅百選にも選ばれている三軒茶屋は、吉祥寺や自由が丘と並び「住みたい町」などのランキングに名を連ねる住宅地だ。下北沢や池尻大橋へも徒歩で行けるうえ、街のランドマークである「キャロットタワー」の1階からは2両編成の風情あふれる世田谷線も走っており、山下駅で小田急線に乗り換えもできて、とても便利。成城学園、田園調布、二子玉川など世田谷区内近隣の各方面をつなぐバスも運行しており、多方面へ行きやすい。再開発で整備された場所と隣り合うのは、昭和の味わいを色濃く残す家並みや商店街。家賃相場は比較的リーズナブルなところが多いので、都心へ通う会社員や学生などのニーズが高い。新旧のバランスの良い三軒茶屋の街は、ほどよくリラックスできる都心のオアシス的な存在だ。

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市民が集まる場であり、濃度の高いカルチャースポット。
自然と意識が高まっていく素敵な循環。

三軒茶屋駅前にそびえたつ、街のランドマーク「キャロットタワー」。ファッションからコスメ、スイーツなど多彩な店舗や施設が集まるこのタワーの26階には、朝早くから夜遅くまで誰でも無料で入ることのできる展望台がある。眺望の良い展望台階には街をぐるりと見渡せる広々とした回廊があり、あちらこちらに座り心地のよいソファが設置してあるため、地元の人たちの憩いの場となっている。展望レストランとカフェもあるため、家族連れやカップルにも大人気のスポットだ。タワーの中心には「世田谷パブリックシアター」がある。ここは、現代演劇と舞踊を中心とする演目上演と、市民のさまざまな参加型ワークショップを通し、新しい舞台芸術の可能性を探る劇場として2002年より狂言師・野村萬斎が芸術監督を務めている。主劇場「世田谷パブリックシアター」と小劇場「シアタートラム」のほか、稽古場や作業場、音響スタジオなどさまざまなスペースがある新しい運営スタイルに、全国の演劇ファンや劇場から注目されている。 古着屋の多さやレトロな商店街の影響で下北沢や中野と並んでサブカルチャーの中心地としてのイメージが強い三軒茶屋だが、メインカルチャーにおいても、知的好奇心をくすぐるスポットが実に多いのが特長だ。

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最新トレンドの反面、ほっと一息つけるような
庶民的な面も。このギャップがたまらない。

「お洒落な街」としてのイメージも強い三軒茶屋だけど、きちんと暮らしに根付いた庶民的な面も。駅前にはSEIYUやTOKYUなどの大型スーパーがあり、24時間営業のところもあるので仕事帰りにも立ち寄れてとても便利。また、駅前には「エコー仲見世商店街」、「ゆうらく街」、「なかみち街」、「すずらん通り」など、昭和レトロな小さな商店街が集まっている。どの商店街もまるで迷路のように入り組んでいて、小さな路に迷いこんでみても街ごとタイムスリップをしたような感覚でとても楽しい。レトロな商店街の中にも、ふとモダンな食品屋や雑貨屋が出現したり、歩き進むと銭湯の煙突に行き当たったり。古民家をお洒落な雰囲気にリノベーションした隠れ家カフェでは、美味しい手作りスイーツや自慢の定食が味わえたり、ほっとできるスポットも満載。三軒茶屋と下北沢を繋ぐ「茶沢通り」には、素敵なショップやカフェが立ち並び、日曜日の13:00~17:00には歩行者天国となるため思うぞんぶん休日の散策を満喫できる。迷子感覚でちょっとワクワクしながら散策をすることで、予想外の感動や発見に出会う。これが、三軒茶屋で暮らし過ごすうえでの正しいスタイルかもしれない。

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エッジの効いたクリエイティブな場所も多彩。
身を置くだけで、センスが磨かれていくよう。

駅から世田谷公園へのルートもまた楽しい。「THE GROBE」はアンティークショップといえばここ!と言われるほど業界を牽引する存在。カフェも併設しており、アンティークを通じてトレンドを知ることができる名店だ。ブランドPUEBCOが手掛けるオリジナル家具を中心とした「W%」には、フォールディングチェアや外国の小学校で使われていた学習机、タイヤ廃材を使用し再成形したバケツなどがありツウにはたまらないラインナップ。そして「三宿四二〇(よんにいまる)商店街」エリアへ。三軒茶屋と三宿の中間に位置し、三宿通り周辺の商店事業者を中心に発足。三宿通り沿道や世田谷公園を活用し、にぎわいの創出、三宿ブランドの価値向上などを目指している。「IID世田谷ものづくり学校」は、世田谷区立池尻中学校の校舎をリニューアルして誕生。アートやファッションなど様々な分野のクリエーターによる捜索活動の場であると同時に、多彩なワークショップなども開催し地域コミュニティ・イベントスペースとしても一般開放。「だれでも通える学校」として楽しめる施設となっている。緑豊かな世田谷公園など自然のロケ―ションにも恵まれ、庶民的な商店街や癒しの場所、クリエイティブな三宿のいいところをすべて味わうことができる三軒茶屋での暮らしは、何物にも代えがたい贅沢なものだ。