一人暮らしの収納テクニックVol.3 リモコン、郵便物、雑誌…散らかりがちなリビング、どう収納する?

生活の中心となるリビングは、物が散らかりがちな場所でもある。散らかっているという状況は、視覚的に美しくないだけでなく、「やる気をなくす」など心に影響を及ぼすことも。ここでは、そんな散らかりがちなリビングの物に着目し、収納方法やしくみを作って散らかるのを防ぐコツを片づけの専門家・香村薫さんに紹介してもらった。

▶香村薫さんの記事
一人暮らしの収納テクニック Vol.1 自分らしいクローゼットの作り方(前編)
一人暮らしの収納テクニック Vol.2 自分らしいクローゼットの作り方(後編)

部屋が散らかって見える「物」とは

部屋の中に雑然と置いてあることで、散らかっているように見えてしまう物があります。まずはご自身の部屋があてはまっているか、確認してみてください。

・リモコンやケーブル類など電子機器が雑多に置いてある
・DMや公共料金の請求書などの郵便物が山積みになっている
・雑誌や文具がテーブルの上に散乱している

これらをすっきり片づけられると部屋の印象が大きく変わります。それぞれ今からできる対処例を挙げていきましょう。

電子機器関連アイテムの収納方法

リモコンなどの電子機器関連のアイテムは、スイッチに多くの色数が使われています。テーブルの隅に並べて置いてしまいがちですが、視覚的に雑多な印象を与えるとともに、生活感がより出てしまいやすくなるもの。頻繁に使う物なので取り出しやすさはキープしつつ、自立するカゴやバッグに隠して収納してはいかがでしょうか?

続いて、コンセントに挿しているケーブル類。例えば、スマホの充電器が該当するのですが、花を飾って隠してみるというのはいかがでしょうか。


手前に花を置くことで、電子機器の目隠しになります。視線が花に行くので、ごちゃごちゃ感が気にならないですね。

もうひとつ、テレビやブルーレイレコーダーなどのケーブルについては、まとめて蓋付きのカゴへ入れるのがおすすめです。

メリットは3つあります。
・蓋付きにするとほこりがつきにくいので、掃除が楽
・カゴは通気性がいいので熱がこもらない
・持ち手の部分からケーブル類を出せる


ケーブル類がまとまると、スッキリ見えます。

郵便物の収納方法

「郵便物がすぐに散らかる」という声もよく耳にします。郵便物の処理に関しては、ルールを作っておくといいでしょう。

不要な郵便物は家の中に持ち込まない

まずはポストに届いた郵便物の中に、「たいして重要ではない郵便物」があるかどうかをチェックしてみてください。まず取り組みたいのは「家に持ち込まない工夫」。むやみに家の中に郵送物が増えないようにすることが重要です。

郵便物を手に取ってから部屋の中に入るまでのあいだに、「必要な書類」と「捨てる書類」に分けて、捨てる書類は速やかにゴミ箱へ入れましょう。玄関にゴミ箱を置いておくのも手ですね。

また、不要なDMは、受け取りを拒否することができます。不要なDMに、未開封のまま「受取拒否」と書いてハンコを押すか、署名をしたメモを貼り付け、郵便ポストに投函(郵便局への持ち込みも可)するだけでOK。

このように、家の中に持ち込む郵便物を減らすようにしてください。

手に持ったら処理まで行う

対応が必要な郵便物は家の中に持ち込みますが、手に持ったらすぐに処理まで行うことをルール化します。そのためには、「郵便ポストを見る時間を決め、そこから5分間は書類対応の時間」というように、時間を確保するといいでしょう。

「後でまとめてやろう」と先送りにすると、処分するタイミングを逸して放置してしまうことがあるので、これをルールとして取り入れたいものです。

「とりあえずボックス」を作る

その日中にどうしても処理できない書類については、「とりあえずボックス」を作ってみてはいかがでしょうか。ただし、箱は小さくし、「満杯になったら必ず空っぽにする」というルールが必要です。

雑誌や文具の収納方法

何気なく買ってしまう雑誌や書籍、いつの間にか増えてしまうボールペンなどの文具――これらがテーブルの上に散乱していると、やはり部屋が散らかって見えてしまいます。

雑誌や書籍に関しては、積まずに「表紙が見えるように立て掛ける」収納にします。皆さんは書店で表紙が見えていると思わず手に取りたくなりませんか?私自身、「表紙が見えるように立て掛ける」を意識するようになってからは、1冊買って読み終わったら手放し、そして新しい雑誌を購入するようになりました。

そして、文具の収納は「並べる収納」がおすすめ。並べる収納にすることで、パッと見て全容を把握でき、すぐに手に取れるというメリットがあります。

並べる収納にする場合はたくさんの量を収納できないので、自然と数を厳選するようになり、使ったら戻すという習慣付けにもなりますよ。

片づけは「捨てる」ことから始めなくてもOK!

部屋が散らかってしまうのには、散らかっている状況を見て見ぬ振りをして、片づけを「後でやろう」と先送りにする気持ちや、つい物を買ってしまう癖が大きく影響します。
片づけは「捨てる」から始めなくても大丈夫。今、家にある物の収納方法を変えたり、片づけのルールを作ったりすることで部屋が散らかるのを抑えることができます。ぜひ、できることから真似してもらえるとうれしいです。

<PROFILE>
香村薫さん(ミニマライフ.com

愛知県岡崎市在住のライフオーガナイザー/片づけの専門家。2014年に片づけサポート業務のミニマライフ.comを開業。自宅で開催する「モノの減らし方講座」には全国各地から受講者が集まり、片づけ出張サービスは予約が絶えない。2017年に初の著書「トヨタ式おうち片づけ」(実務教育出版)を、2018年には「トヨタ式超ラク家事」(実務教育出版)を発表している。