賃貸契約の入居審査とは?審査に通りやすくするためのポイント

賃貸契約の申込み手続きをすると、入居審査を受ける必要がある。物件を貸す側と借りる側、両者の同意を踏まえて契約が成立するため、この入居審査を通過しなければ部屋を借りることはできない。そのため、部屋を借りる際は、入居審査をスムーズ通過するためのポイントも押さえておきたいところ。
そこで、入居審査でチェックされるポイントや、審査に通過しやすくなるためのコツについて見ていこう。

賃貸契約の入居審査がある理由

賃貸物件の契約において入居審査がある理由は、入居後のさまざまなトラブルを防ぐためといえる。家賃の支払い能力がない入居希望者が部屋を借りれば家賃の支払いが滞り、物件の所有者である管理会社や大家に多大な迷惑がかかってしまう。また、トラブルを起こすような人を入居させると、ほかの入居者の迷惑となり、最悪、空き部屋を増やす原因にもなりかねない。このような理由から、物件を貸すのにふさわしい入居希望者かどうかを判断するために、入居審査が行われる。

審査は大家が行うケースもあれば、不動産会社の判断に委ねられることもあり、一般的に3~10日程度かかると想定しておくといいだろう。

審査における3つのポイントを押さえよう

入居審査の基準は大家や不動産会社の方針によって少しずつ異なるが、まずは多くの物件で共通する判断基準を押さえておきたい。
審査のポイントは、「家賃の支払い能力」「連帯保証人」「入居希望者の人物像」の3つ。このうち、ひとつでも引っ掛かると、通過が難しくなるとされているため、事前に必ず確認しておこう。

1 家賃は毎月ちゃんと支払える?

入居審査で特に重視されるのが、入居希望者の収入と支払い能力。きちんと継続して家賃を支払うことができるか、また年収に見合った家賃であるかといった点を審査されることとなる。
安定した収入があるかどうかを判断するために、職業や勤務先の情報を提供したり、過去の滞納歴について伝えたりする必要があることも珍しくない。

2 連帯保証人はいる?

連帯保証人とは、家賃の滞納が発生した際や、入居者が行方不明になったときなどに、入居者に代わって債務を負担する人のことをいう。この連帯保証人については、自分と同程度、またはそれ以上の収入のある身内に頼むことができれば、ほとんど問題ないといえるだろう。
連帯保証人を頼める人が見つからない場合でも、最近では保証会社を利用でき、保証人不要で申し込める物件も増えてきているので、そのような物件を検討してもいいだろう。

3 どんな人が借りるの?

服装や言葉遣いなどをはじめとする入居希望者の人物像も、実はチェック対象となっている。物件探しに不動産会社を訪れた時点で、すでに入居審査は始まっていると考えたほうが良さそうだ。

入居審査を通過しやすい人・しにくい人の分かれ道は?

ここからは、入居審査はどのような点で判断されるのか、3つのポイント別に見ていこう。

物件の家賃が年収に見合っているか

入居審査で最も重視されるのが、家賃の支払い能力だ。無理なく家賃を支払い続けられるかどうかが、審査通過の分かれ道といえるだろう。

審査を通るための家賃の目安としては、年収の36分の1以下であることといわれている。例えば年収400万円であれば、およそ11万円以下の家賃が目安となる。部屋選びの際は、月収だけでなく年収からシミュレーションしてみることがおすすめだ。

連帯保証人が身内かつ収入が安定しているか

入居者に代わって債務を負う連帯保証人についても、入居希望者と同様に安定した収入があるかどうかがチェックされる。身内に依頼したとしても、その保証人が高齢で、定年退職していたり、今後の勤続年数が短かったりすると、審査通過が難しいこともあるため注意したい。

このような場合にスムーズに審査を通過するためには、働いている兄弟などに連帯保証人になってもらうことがおすすめだ。

過去の滞納歴を正直に伝えているか

過去に滞納歴があるのであれば、隠さず正直に伝えることも重要。クレジットカードの滞納歴も個人信用情報を記録する会社に残されているため、入居審査では調査対象となる。

滞納歴を正直に伝えることで、通過しやすい物件を紹介してもらえることも。反対に、滞納歴を隠したり偽ったりすると人物像の評価も悪くなり、さらに審査に通りにくくなってしまうため要注意。

無職の人は審査を通過できない?

無職の人は申込み不可という物件も多いが、すべての物件で賃貸契約できないというわけではない。「職に就き次第、働く意思がある」「身元がしっかりしている連帯保証人がいる」「入居希望者に十分な資産がある」などの条件を満たしていれば、申込み可能な物件もある。

この場合、通帳のコピーを提出する「預貯金審査」を通過する必要がある。この審査に通るためには、家賃の約1〜2年分の残高が必要とされているが、こういった要件を満たしていれば、無職の人でも部屋を借りることができるだろう。

入居審査の準備をしてから賃貸契約に申し込もう

契約の申込みを決めた時点で収入面に不安があったり、慌てて保証人を探したりすることは避けたいもの。事前に入居審査の準備をきちんとしておくことが、スムーズに部屋を借りるためのポイントといえそうだ。

不動産会社を訪問する際や大家さんと会うときには、すでに審査は始まっていると意識して、身だしなみや言葉遣いに配慮しながら部屋探しを進めていこう。