一人暮らしの引越し、近隣への挨拶は必要?

一人暮らしで引越しをした際に、近隣の住人へ引越しの挨拶をすべきか悩む人もいるだろう。礼儀として挨拶をしたほうがいいという考えがある一方で、防犯面でのリスクを考慮すると、わざわざ挨拶はしなくてもいいのでは、という考え方もある。

そこで今回は、引越しの挨拶の必要性について、そのメリットやデメリットをチェック。また、挨拶をする場合の基本的なマナーについても確認していこう。

一人暮らしの引越し時に挨拶は必要?

一人暮らしの場合、現在は引越しの挨拶はしてもしなくてもいい風潮といえる。近隣の住人と円満な関係を築くため、何かあったときのために必要と考えられている引越しの挨拶だが、現代はあえて近所付き合いをしたくないという人も。
特に単身者向けの賃貸の場合、引越しの挨拶をあまり歓迎しない人もいる、ということも踏まえておいたほうが良さそうだ。

引越しの挨拶をすべきか迷うのであれば、物件のオーナーや、入居時に紹介してくれた管理会社へ相談してみるのもおすすめ。ほかの入居者が引っ越してきたときはどうだったか、近隣にどんな入居者が住んでいるかといったことを聞いてみると、挨拶の必要性を判断できるだろう。

近隣へ引越しの挨拶をするメリット・デメリットとは?

ここでは、引越しの挨拶をするかしないか判断に迷った際に参考にしたい、引越しの挨拶をするメリット・デメリットを確認しておこう。

引越しの挨拶をするメリット

引越しの挨拶をすることで、近隣住人への印象が良くなり、円満な関係を築きやすくなるというメリットはあるだろう。また、日頃から円満な関係を築いておけば、災害などのトラブル発生時に、近隣の人に頼りやすくなるということも大きい。

普段から近隣の住人と挨拶や軽い会話をしておくと、地震などの災害時にも情報を得やすくなったり、スムーズに助け合えたりできるはずだ。

引越しの挨拶をするデメリット

特に、一人暮らし用の物件に女性が引っ越した場合は、近隣の住人に挨拶することで「ここで一人暮らしをします」とわかってしまうのがデメリット。防犯に配慮したい人にはリスクが大きいため、安易にたくさんの入居者に挨拶をして回るのは注意したい。

あえて引越しの挨拶をしないことが防犯にもなるので、不安な点があれば無理にする必要はないといえるだろう。

引越しの挨拶をする場合のポイント

せっかく引越しの挨拶をすると決めたなら、マナーを守って好印象を残したいもの。ここからは、引越しの挨拶をする場合のマナーや注意点を見ていこう。

挨拶に行くタイミング

引越しの挨拶に行くタイミングとしては、引越し当日の、荷物の積み下ろしを始める前が望ましい。当日は、荷物で通路をふさいだり、大きな音を立てたりして、近隣に迷惑をかけてしまう可能性がある。積み下ろしを始める前に挨拶に行くことで、自然に挨拶をすることができるはずだ。
また、引越し当日に挨拶の時間が取れなかった場合も、できるだけ早めに済ませたい。入居後1週間以内には挨拶をしておこう。

挨拶へ行く時間帯は、忙しい朝の時間帯は避け、日中の10時以降が◎。夜の場合は、夕飯や入浴する人の多い18時以降は避けたほうがいいだろう。

挨拶する範囲

賃貸物件の場合、挨拶する範囲は基本的に「物件のオーナー」と「自分の部屋の上下左右の部屋」。オーナーは、これからその物件で暮らしていく上で何かと相談することも予想されるため、必ず挨拶をしておこう。

自室の下の部屋には「こちらの生活音が聞こえることもあるかと思いますが、よろしくお願いします」という意味を込めて挨拶したい。また、上の部屋にも挨拶をして顔を知ってもらうことで、あまり生活音を立てないよう、意識してもらえる可能性が高まるだろう。

粗品を渡す場合

引越しの挨拶で渡す粗品は、500~1,000円程度の物がおすすめ。お菓子や洗剤、タオルなど、日持ちする物や生活必需品は特に人気が高く、迷惑にも思われないだろう。
なお、粗品にはのしをつけて渡すのがマナー。この場合はフルネームではなく、苗字だけで問題ない。

住人が不在だった場合

一人暮らし向け物件の場合、仕事や学校で住人が不在のことが多い上、生活リズムも異なる可能性が高いため、挨拶に行っても会えないケースがある。

その場合は、時間帯を変えてもう一度訪問するか、手土産と簡単な手紙をポストに残しておこう。手紙には「◯号室に越してきた◯◯です。よろしくお願いします」といった旨を書いておけばOK。

女性が挨拶に行く場合

挨拶に行く先の相手の年齢や性別がわからないとなると、一人で会いに行くのは不安という人もいるはず。そのため、女性の場合は両親や兄弟など、同行者とともに訪問してはどうだろうか。
同行者には事前に相談し、当日も引越し作業を手伝ってもらうなどして、ついでに挨拶にも同行してもらう…という流れであれば、自然に済ませられるだろう。

引越しの挨拶をするかは状況に応じて決めよう

「引越しそば」という風習があるように、かつては常識だった引越しの挨拶だが、現代はしない人も多く、される側の印象もさまざま。そのため、メリットとデメリットを考慮して必要性を判断しよう。
引越しの挨拶をしなかった場合でも、普段エントランスや廊下などでほかの入居者と顔を合わせたときには、簡単な挨拶をする習慣をつけることで、ある程度良好な関係は築けるはずだ。