どんな部屋にしたい?一人暮らしの素敵インテリア:和モダンスタイル編

これから住むならこんな部屋にしたい!――数あるインテリアスタイルの中から、特に注目のスタイルを紹介する連載企画。その最終回に紹介するのは、「和モダン」スタイルだ。近年は世界的にさまざまなジャンルで「和」の再評価が高まっていて、インテリアにおいても和テイストは旬といえる。

そこで、今インテリアに取り入れるべき和モダンスタイルとはどんなものなのか、今回もナビゲーター役のリズム株式会社リノベーション事業部・田原未弥子が紹介していく。

和のテイストが世界的に再評価されている

このところ、インテリアに限らずファッション、アート、食など、さまざまな分野で「和」な物への注目が高まっている。その背景のひとつにあるのが、海外からの影響だ。

欧米をはじめとする海外では、近年「和文化」が人気を博している。そうした海外での評価が逆輸入のような形で日本に伝わり、改めて和物が見直されているのだ。また、これだけ海外文化が浸透した現代日本の若者にとっても、そうした和のテイストは新鮮で、SNS映えのする存在となっている。

では、そんな和のテイストをインテリアに取り入れるには、どうすればいいのだろうか。「和のアイテムを集めて配置すればいいだけなのでは?」と思いきや、実はそれほど単純ではないようだ。


「和のテイストは、現代のインテリアの中ではかなり主張が強いので、和な物ばかりになってしまうと、むしろ不自然さが際立ってしまいます。そこでポイントとなるのが、『和モダン』という考え方です。和の要素と現代的な洋風の要素をうまく混ぜ合わせることで、和を自然な形でインテリアに取り入れられます」

海外から見た「和」こそが典型的な「和モダン」

では、和と洋の要素を、どれくらいのバランスで混ぜ合わせればいいのか。実は、そのニュアンスをつかむのにうってつけな場所があるという

「それは、日本にある外資系のホテルです。同じホテルでも国内資本のところは洋風が多いですが、むしろ外資系だと和をうまく取り入れているところが少なくありません。その代表例が、アマン東京です。シックな現代的インテリアの中に、伝統的な和の要素が違和感なく取り込まれていて、まさに和モダンという感じです」

やはり、日本以外の国からの目線で解釈した和が参考になるというわけだ。こうしたホテルに泊まる機会がなくても、大抵はウェブサイトで客室やラウンジのインテリアを見ることができるので、チェックしてみてほしい。

また、古民家カフェなども和モダンスタイルの参考になるだろう。中には純和風のところもあるが、多くは和と洋を絶妙に組み合わせている。ホテルよりも気軽に足を運ぶことができるはずなので、そのミックス具合を現場で確かめてみては?

和物のレトロ感や奥深さ、そしてモダンインテリアの洗練された雰囲気――和モダンスタイルとは、その両者をミックスさせ、いいとこ取りしたスタイルなのだ。

和物を「ちょっと混ぜる」のがコツ

ここからは、そんな和モダンスタイルを自室のインテリアに取り入れる方法を紹介していこう。和モダンスタイルを作る上で何より大切にしたいのが、バランスだ。


「和の割合が高すぎると、どうしてもコテコテ感、やりすぎ感が出てしまいます。例えば、日本の古い家屋を利用した古民家カフェであっても、意外と床座りの形式ではなく、テーブルやチェア、ソファを使うことで和とモダンのバランスをとっていたりします」

和の物が多いと、それだけアクセントにはなるが、多すぎると現代の一般的な生活スタイルの中では、どうしても不自然さが生まれる。だから、和のウェイトを適度に抑えることが重要になってくるというわけだ。それを踏まえると、いきなり和の物を多く取り入れるのではなく、「ちょっと混ぜる」くらいの感覚で始めることが、和モダンスタイルを成功させるカギとなるだろう。

では、具体的にどんな和物を取り入れるのがいいのだろうか。そこで重宝するのが、始めから和とモダンテイストを併せ持ったアイテムだ。

「例えば、イサム・ノグチによる和紙を使った照明
AKARI』シリーズや、柳宗理によるバタフライスツール、長大作による低座椅子などは、アイテム自体が和とモダンテイストの両方を併せ持っているので、和モダンスタイルにはぴったりです。同じように、現代の日本人作家が作る陶磁器や和食器なども、和とモダンを折衷した物が多く見られます」

和のアイテムを見つけるには?

和物を取り入れるコツとして、床に「琉球畳」(半畳縁なし畳)を敷くという方法もある。琉球畳は、普通の畳と違って縁がなく正方形で、向きを変えて配置すれば、光の反射の違いで市松模様を作ることができる。これを使うだけで、部屋が一気に和モダンな雰囲気になるのだ。

また、カゴやザル、ほうきといった和の道具をワンポイントで部屋に置いても雰囲気が出せる。例えば、農家で使うような竹カゴにかばんを収納するなど、本来とは違う用途で使いこなすのも粋だ。さらに、伝統的な和柄が入った布や手ぬぐいをインテリアにプラスするのもいい。ただし、カーテンなど、大きな面積の物を使うと違和感が出やすいので、布を額に入れて飾るなど、アート的な解釈で扱うのが和モダンだろう。

では、そうした和モダンを実現させるアイテムは、どこで買えるのだろうか


「蚤の市などで宝探し的に探すのも楽しいですが、最近はセレクトされた和のアイテムを置くお店があるので、そちらのほうが和モダンに合う物は見つかりやすいと思います」

伝統的な和の道具なら谷中の「松野屋」、和の雑貨をセレクトしているショップでいうと「中川政七商店」や「D&DEPARTMENT
などが代表的。和モダンを意識したいなら、一度はチェックしておきたい場所だ。
和物ならではの心地良さやその根底にある和の精神を、今の感性で楽しむ。それこそが、和モダンスタイルの大きな魅力だ。

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