賃貸物件でも防音はできる?音のタイプ別、防音対策のポイント

アパートやマンションなどの集合住宅にありがちなトラブルのひとつとして、騒音トラブルが挙げられる。外の工事音や、隣や上下階の部屋の生活音に悩まされた経験がある人も多いだろう。また、足音やドアの開け閉めなど、自分が出す生活音にも配慮して、ほかの住人から苦情が出ないようにしたいところだ。
ここでは、賃貸物件における防音対策や、防音性を重視した物件選びのポイントを見ていこう。

賃貸の防音対策は大きく2つのタイプに分かれる

アパートやマンションなどで聞こえる音のタイプは、「空気音」と「固体音」の2つに分けられる。それぞれの特徴を踏まえて、適切な防音対策をとっていきたい。

・空気音
空気音とは、音の発生源が自室の外にあり、外壁や窓などを伝って聞こえる音のこと。代表的なものとして、外の工事音や隣家の話し声のほか、隣家のテレビやオーディオの音などが挙げられる。

・固体音
固体音とは、壁や床が振動して伝わる音のこと。代表的なものとして、階の住人の足音や、床に物を落としたとき下階に聞こえる音などが挙げられる。また、エアコンの室外機や洗濯機の振動音なども固体音に該当する。

空気音への対策

空気音を防ぐには、音を伝う窓やドアの隙間をふさいだり、壁を補強したりする対策が必要だ。ここでは、防音カーテンや防音テープなど、アイテムを活用した対策を紹介しよう。

防音カーテンをつける

窓を介して聞こえる外からの空気音を防ぐには、窓全体をカバーできる防音カーテンの設置がおすすめだ。カーテンによっては防音機能に優れるだけでなく、防炎性や遮光性が高い物もあるため、快適かつ安心して暮らせる部屋づくりに役立つだろう。

窓などの隙間を防音テープで埋める

ドアや窓の隙間からの音漏れを防ぐには、防音テープを活用したい。窓枠や床とのあいだにできた隙間を、防音テープを使って埋めることで気密性が高まり、音漏れを大きく抑えられる。
また、ドアを開閉する際の音の響きも小さくなる。さらに、外気の侵入も遮断するため、寒さ対策にも効果的だ。

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防音シートを壁に貼る

壁を伝って聞こえてくる隣家の話し声やテレビの音などが気になる場合は、壁に厚手の防音シートを貼る方法も◎。壁が薄い賃貸物件の場合は、特におすすめだ。
防音シートは、無地の物以外にもデザインのバリエーションが幅広く展開されている。部屋の印象を大きく変えられるため、模様替えを兼ねて選んでもいいだろう。

固体音への対策

続いて、固体音への対策方法を、音の種類別に見ていこう。ほかの住人が発生源となる固体音は、残念ながら対策が難しい。しかし、自分が出す固体音を抑えるための対策にはさまざまなものがあるため、できる限り実践したいところだ。

・洗濯機・冷蔵庫・掃除機
下階への音を抑えるためにも、洗濯機や冷蔵庫の下には防振・消音マットを敷く。洗濯機と掃除機は、使用時間に配慮する。

・室外機
管理会社に相談して、室外機の防振対策をする。室外機の振動音が大きい場合は、故障している可能性があるため、修理・交換できないか相談する。

・ドアの開閉音
できるだけ音を立てずにドアを開け閉めする。また、防音テープを緩衝材にして、ドアの音を抑える。

・浴室
早朝や深夜の入浴や、シャワーの使用は控える。

・家具の移動音
テーブルや椅子などの家具を引きずらない。また、脚にカバーをつける。

・足音
カーペットやマットなどを敷いて足音を抑える。大きな足音を立てて歩いたり走ったりしない。

・会話音
窓を開けて大きな声で会話をしない。部屋で人と話すときは時間帯を考えて、声のボリュームにも配慮する。

・テレビやオーディオ機器
隣戸と接する壁の近くには置かず、適正な音量で使用する。深夜や早朝に使用する場合は、イヤホンやヘッドホンを使う。

空気音に悩まされない賃貸物件選びのポイント

最後に、外部からの騒音である空気音にできるだけ悩まされない物件を選ぶポイントを確認していこう。

近隣の騒音が気にならない、防音性の高い賃貸物件の見つけ方

曜日や時間帯を変えて周辺環境をチェックする

内見などで実際に賃貸物件の周辺環境を確認するときは、可能であれば、曜日や時間帯が異なるタイミングで複数回訪れたい。曜日や時間帯によって、建設作業の有無や交通量、電車の音などが大きく変わってくるためだ。

物件全体の平面図で住戸の配置を確認する

防音性を重視したい人は、隣戸と接する壁が少ない角部屋を選ぶのがおすすめ。また、遮音性の高い物件を選びたいなら、隣戸とのあいだに収納スペースなどがあり音が伝わりにくい構造か、寝室の隣に共用の通路や階段がないか、といったポイントも確認しよう。
借りたい部屋の間取図だけでなく、物件全体の平面図を見られるとなおいい。

四方の壁を軽く叩いてみる

内見時に物件の壁を軽く叩いて、防音性をチェックしてみる方法もある。叩くと、硬く詰まったような音がするのはコンクリート壁で、防音性も高い。
反対に、叩いた感じが軽く、高い音が壁の裏側に響く場合は、石膏(せっこう)ボードなど防音性が低い素材の可能性がある。

快適な生活のために効果的な防音対策をとろう

アパートやマンションなどで防音対策をするには、空気音と固定音の違いを踏まえて、騒音に対して適切な対策をとることが大切だ。
また、隣り合った部屋に自分の生活音を響かせないためにも、一度、生活習慣を見直したい。効果的な対策をとって、賃貸物件によくあるトラブルを回避しよう。

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