色が心理に与える影響とは?理想の部屋にするための配色のコツ

部屋をコーディネートするにあたって知っておきたいのが、色の使い方だ。色は見た目だけでなく、そこで暮らす人の心理にも大きく影響する。人の心は色によって動くともいわれており、どの空間にどの色を置くのかによって、部屋の居心地や印象が変わってくるのだ。
そこで、色が人の心理に与える影響や、生活空間における配色のコツを紹介しよう。

色が与える心理的な効果

インテリアの色を変えて居心地の良い空間を作るためには、それぞれの色が持つ心理的な効果を知る必要がある。
まずは主な色別に、人の心理にどのような影響を与えるのかを見ていこう。

青色:鎮静作用・清潔感

寒色の中でも代表的な青色や水色は、心を落ち着かせる鎮静作用を持つ。色の明度によっても印象が異なり、深い青色なら落ち着きを感じさせてくれるし、明るい水色なら爽快感や清潔感がある。

緑色:安心感・リラックス

植物や森林をイメージさせる緑色は、安心感やリラックス効果が期待できる。深い緑色は、森林のような穏やかなイメージである一方で、黄緑色などの淡い色は、草原のような明るさや爽やかさを感じられる。

赤色:暖かさ・気力回復

暖色の代表色である赤色は炎や太陽、秋などを連想させ、心に温もりを与えてくれる。また、気力回復につながる色であることから、食欲増進効果も持つ。

オレンジ:緊張緩和・食欲増進

ビタミンカラーのオレンジは、緊張をやわらげたり、元気を与えたりする効果がある色だ。また、胃腸を活性化させる作用を持つといわれているため、赤色と同じく食欲増進につながる色でもある。

黄色:集中力アップ・気分の高揚

神経を刺激する黄色は、すべての色の中で最も明るい色といわれており、気分を高揚させる効果がある。そのため、集中力や発想力をアップさせてくれるだろう。また、道路標識や看板にも使われているように、人の注意を引きつける色でもある。

ピンク:穏やかさ・若々しさ

淡いピンクは心を穏やかにし、リラックスした気持ちにさせる色。また、かわいらしさや恋愛などのイメージカラーでもあるため、若々しさを保ちたいときにも取り入れると効果的だ。

ベージュ・茶色:落ち着き・安心感

アースカラーでもあるベージュや茶色は気持ちを落ち着かせ、心に安らぎや温かさを与えてくれる。淡いベージュは自然な温もりややわらかさを、濃い茶色は重厚さや落ち着きをそれぞれ感じられるだろう。

白色・黒色・グレー:洗練・無機質

無彩色である白色、黒色、グレーは、洗練された色。メインカラーにすると、生活感を感じさせない空間を演出できる。だが、無彩色一色にしてしまうと冷淡さが感じられ、落ち着きの感じられない空間になりやすい。
そのため、温かみのある有彩色と組み合わせながら使うことがポイントだ。

<アクセントカラーの壁を取り入れた「Plain」シリーズの物件一覧はこちら>

空間別・おすすめの色と配色のポイント

居住空間のカラーコーディネートをする際には、その場所で何をするのか、どのような居心地を求めるのかによって、取り入れると良い色が変わってくる。
続いては、家の中でも主要な場所である「リビング」「寝室」「ダイニング・キッチン」それぞれについて、おすすめの色と配色のポイントを紹介しよう。

リビング

リビングでの過ごし方は人それぞれ。どのようなイメージの場所にしたいのかを踏まえて、取り入れる色を決めよう。

・茶色・ベージュ系
茶色やベージュは、メインカラーとしてどの色とも組み合わせやすく、テーブルやデスク、棚など、アイテムも豊富。色合いや素材感をそろえて統一感を出そう

・緑色系
リラックスできる空間にするには、観葉植物やクッション、カーテンなどで緑色を取り入れると良い。
濃い緑色をメインカラーにすると圧迫感が出てしまうため、アクセントとしてインテリアの一部に取り入れよう

・赤色・オレンジ色系
赤色系やオレンジ色系の暖色は、部屋に温もりや安心できる雰囲気が欲しいときに取り入れたい。
日当たりの悪い空間や寒々しいと感じる場所に、赤色やオレンジ色系のラグやクッションなどを置いてみよう。

・青色系
リビングを作業スペースにしたいときや、涼しさを感じたい夏場は、カーテンやラグ、クッションなどを青色系にしてみよう。寒色だけで寒々しい印象にならないよう、白色や茶色系と組み合わせてバランス良く配色したい。

・ピンク色系
淡いピンク色は、茶色や白色、グレーとの相性が良く、安らぎを感じられる空間を演出できる。なお、ビビッドカラーをメインにすると落ち着かない雰囲気となってしまうため、ビビットな濃いピンク色はワンポイントにとどめよう。

寝室

リラックスできる空間にしたい寝室は、寝具やカーテン、クッションなどに青色系や緑色系、茶色系、淡いピンク色といった、心を落ち着かせるカラーを取り入れるのがおすすめ
なお、北向きの部屋など、寒さをイメージさせる場所に、寒色を置くのは避けたほうがいいだろう。

ダイニング・キッチン

ダイニングやキッチンには、食欲増進カラーでもある赤色系やオレンジ色系の色を置きたい。テーブルクロスや戸棚のカーテン、コースターなど、ダイニング周りのインテリアや小物で赤色系やオレンジ色系を取り入れよう。
また、赤色やオレンジ色と相性の良い黄色をキッチンや洗面所などの水周りに置くと、明るく華のある空間に。目が疲れないよう、黄色はあくまでワンポイントにとどめよう。
黄色を多用したい場合は鮮やかな黄色ではなく、落ち着きのあるマスタードカラーや淡いパステルカラーを選ぶとなじみやすい

白色・黒色・グレーの無彩色の取り入れ方

無彩色である白色・黒色・グレーをメインカラーにした空間は、洗練された無機質な印象になる一方で、温かみがなく落ち着かない雰囲気になってしまうことも。
最後に、白色・黒色・グレーをそれぞれ配色する際の注意点を見ていこう。

白色

白色は、清潔感があり空間を明るく見せてくれる一方で、日光が多く入る場所に使いすぎるとまぶしくなる。また、白は汚れも目立ちやすい色だ。そのため、青系や赤系、緑系、ピンクなどの有彩色や黒と組み合わせて使いたい

グレー

大人っぽく都会的な雰囲気を演出できるグレーだが、単色で使うと暗く単調な雰囲気になってしまいがち。グレーは、どのような色でも合わせやすいため、複数のカラーがある場合に、中和させる目的で取り入れるといいだろう。

黒色

黒色を多く使った空間は、重厚感や高級感がある印象になる。ただし、黒色が多いと圧迫感や閉塞感が出るため、狭い部屋には不向きな点に注意したい。
黒色はほかの色に影響を与えやすく、周囲の色を強調させる効果も持つ。そのため、ラグや棚などにワンポイントで使い、コーディネートの引き締め役として取り入れるといいだろう。

色を上手に取り入れて居心地の良い家づくりを

居住空間をどのような雰囲気にするかは、人それぞれの性格やライフスタイルによって変わってくる。
色が心理に与える影響を踏まえて、インテリアやファブリックなどで上手に色を取り入れることで、快適に過ごせる家づくりができるだろう。