定期預金とはどんな預金なのか?しくみを知って活用しよう

銀行にお金を預けることを「預金」というが、預金にはいくつもの種類がある。その中のひとつが「定期預金」だ。さらに、定期預金にも種類があり、それぞれ異なる特徴を持っている。
ここでは、定期預金のしくみや種類、定期預金を選ぶ際のポイントなどを紹介する。定期預金のしくみを知ることで、メリットを活かした使い方を考えてみよう。

定期預金とは最初に期間を指定して行う預金のこと

定期預金は、銀行が提供している金融商品のひとつだ。定期預金の中にもいろいろなタイプがあるが、基本的には「最初に預け入れる期間を指定して行う預金」を指して定期預金と呼ぶ。定期預金は、多くの銀行で用意されているメジャーな金融商品だ。

各銀行によって、定期預金として預け入れられる期間や商品名は異なるが、多くの場合、1ヵ月から10年程度までのあいだで期間を設定することになる。とはいえ、銀行によっては7日といった超短期の定期預金や、15年満期の定期預金なども存在する。

定期預金のメリットって?

定期預金を利用するメリットには、次のようなことが挙げられる。

・普通預金よりも金利が高い
・元本割れの心配がない
・手数料がかからない
・万が一金融機関が破綻しても、1,000万円までは預金保護の対象となる
・預入期間が選べるので目的別に貯められる
・一定期間引き出せないため、うっかり使ってしまわない

このうち、「元本割れの心配がない」「手数料がかからない」「1,000万円までは預金保護の対象」という3点は、「リスクが限りなく低い」と言い換えることもできるだろう。また、これらのメリットは、すべて普通預金にも該当する。

普通預金との違いとしては、金利面と期間を定めて預金をするという点がある。例えば、車の買替えのために2年後に使う予定の200万円が手元にあるとする。こういうとき、普通預金に預けておくと、知らず知らずのうちに使ってしまうリスクがある。
しかし、2年間の定期預金にしておけば、2年後に必要となるときまで確実にキープしておくことができ、その上、普通預金よりも高い利息が得られる。元本割れのリスクもないため、2年後に資産が目減りしていたということもない。

このように、定期預金は、決まった期日に使う予定のお金を預けておくという用途に適している。

定期預金の注意点とは

限りなくローリスクで運用することのできる定期預金だが、利用するデメリットが一切ないというわけではない。定期預金を利用するときは、注意すべきポイントについても知っておこう。

運用効率は高くない

低金利が続く昨今、定期預金の金利は決して高いものではない。普通金利よりも高い利率で運用できるとはいえ、そもそもの普通預金金利が、限りなく0%に近づいている状況では、多くの運用益を期待することはできないだろう。

例えば、普通預金の金利が0.001%の場合、100万円を1年間預けたときに受け取れる利息はたった10円で、ここからさらに税金が控除される。金利が0.01%の定期預金に預けることで、この10倍の利息を得ることができたとしても、利息は100円であるから、1年間の運用益としては非常に低額だといえる。

気軽に引き出せない

定期預金は、「絶対に期日まで解約することができない」という類のものではない。もし、急な出費でどうしても資金が必要になったというときは、定期預金を解約して引き出すこともできる。なお、この場合でも、元本割れする心配はない。

しかし、定期預金に預けてあるお金を満期前に引き出すには、必ず「解約」という手順を踏む必要がある。「今欲しい」と思ったからといって、普通預金のようにコンビニのATMから気軽に引き出すというわけにはいかないのだ。

預金保険制度が適用されるのは1つの銀行ごとに1,000万円まで

定期預金にも預金保険制度が適用されるため、万が一銀行が破綻しても、預けたお金は保護される。

ただし、預金保護の対象は1つの銀行ごとに1,000万円までだ。これは、すべての口座を合計した金額であるから、同一銀行に普通口座や定期預金口座を持っている人は、合計額が1,000万円を超えていないか確認してみよう。

もっとも、もし1,000万円を超えていたとしても、それがただちに大きなリスクにさらされるというわけではない。銀行がなんの前触れもなく、ほかの金融機関の手助けや行政の介入もなく、突然倒産するというのは考えにくいケースだろう。だが、万全を期すのであれば、1,000万円を超えた定期預金があった場合は、別の銀行への預け替えを検討しよう。

定期預金の種類

定期預金には、いくつもの種類がある。金融機関ごとに異なる特徴の商品が売り出されているが、ここでは目にすることの多い、4つの定期預金について内容を見ていこう。

定期預金

いわゆる一般の定期預金のこと。1ヵ月、3ヵ月、半年、1年など、一定の選択肢の中から、用途に応じた期間を設定し、預金を行う。期間が完了した後は、普通預金口座に自動的に振り替えるか、再度定期預金として運用することになる。

期日指定定期預金

期日指定定期預金とは、一定期間経過後であれば、いつでも希望の日を満期日として設定することができるタイプの定期預金だ。通常、4月3日に預け入れた3年定期は、3年経過後の4月3日に満期を迎える。しかし、期日指定定期預金であれば、4月3日に預け入れた資金を3年後の3月31日満期に指定することもできる。
子供の進学や記念日などに満期日を設定すれば、目的別の預金であるということを意識した運用がしやすくなるだろう。

積立定期預金

積立定期預金とは、毎月一定額を積み立て(あるいは随時預け入れをして)、指定の金額になった時点で定期預金としての運用を開始するというもの。定期預金にするほどのまとまった資金は保有していないが、これから着実に貯めていきたいという人におすすめの定期預金だ。

大口定期預金

大口定期預金とは、300万円以上や1,000万円以上など、規定の金額以上を預け入れることで利用できる定期預金だ。通常の定期預金に比べて、利率がいいというメリットがある。

定期預金を決めるときのポイント

これから新しく定期預金に資金を預けようというときは、次の4点に着目してみよう。どの銀行のどの定期預金に預けるのかによって、運用結果が変わってくることがある。

金利

銀行によって、定期預金金利には大きな違いがある。低金利とはいえ、できるだけ利率の高い銀行で運用をしたほうが得られる利益は大きくなる。また、一時的に金利が高くなるキャンペーンなどが行われていることもある。

預入期間

希望の預入期間がある場合、それに対応した定期預金を選ぶ必要がある。

単利か複利か

単利の場合は、元金にしか利息がかからないが、複利であれば、得られた利息に対してもさらに利息を得ることができる。つまり、単利よりも複利のほうが最終的な受取利息が高くなる可能性が高いということだ。

変動金利か固定金利か

変動金利や固定金利は、住宅ローンなど、お金を借りるときによく目にするものだが、定期預金にも、変動金利と固定金利がある。
変動金利の金利は市場の動向に合わせて変動し、固定金利の金利は一定のままである。今後の利率がどのように推移するのかを推理しながら考えたい。

定期預金はほぼノーリスクでできる資産管理方法

資産運用というには運用効率が悪い定期預金だが、保有資産を分類し、必要なときまでノーリスクで保持するという意味では優れた方法だ。
積極的な資産運用のために活用するというよりは、資産の管理方法のひとつとして利用してみてはいかがだろうか。

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