一人暮らしは貯金できない?上手にお金を貯める方法

一人暮らしの人は貯金がしづらいといわれがち。もちろんこれは理由あってのことだが、世の中には一人暮らしで月の手取りが10万円台でも堅実に貯金をしている人もいれば、手取りが30万円あっても使い切ってしまう人もいる。
そこで、「貯金ができる一人暮らし」をするためのポイントを紹介しよう。

一人暮らしの貯金が難しい理由

そもそも、なぜ一人暮らしだと貯金ができないのだろうか。それには、明らかな理由がある。

固定費がかかる

一人暮らしをしていると、家賃、光熱費、通信費といった固定費をすべて自分の給与でまかなわなければならない。また、賃貸に住んでいる多くの人は、2年に1度、更新料という名目でまとまったお金が徴収される。

家にお金を入れている実家暮らしの人と比べても、生活するためにかかる最低限のお金は、一人暮らしの人のほうが高くなりがち。出ていくお金が多ければ、貯金がしづらくなるのは当たり前のことだ。

自分以外に支出を止める人がいない

一人暮らしをしていると、無駄遣いをしてもいさめてくれる人がいない。特に大きな買い物をしたわけではなくても、毎日なんとなくお金を使っているうちに、いつの間にか残高がゼロになっているという…なんて人もいるだろう。

一人暮らしの人が堅実にお金を貯めるためには、「多少は貯金しておきたい」というような曖昧な気持ちではなく、なんとなくお金を使ってしまう悪習慣を断ち切る、強い意思と計画性が必要だ。

一人暮らしで貯金ゼロの人が貯金を成功させる秘訣

一人暮らしで貯金がまったくない人が、「これからお金を貯めよう!」と思ったときに、覚えておいてほしい5つの秘訣を紹介しよう。

1 「収入-支出」が必ずプラスになることを意識する

貯金がないということは、毎月の収入から支出額を引いた金額がトントン、もしくはマイナスになっているということだ。そこでまずは、収入から支出を引いた金額を絶対にプラスにすることから始めてみよう。
そのためには、自分の収入と支出を把握しなければならない。収入は給与明細や銀行の入金明細を見ればわかるが、支出は自分で管理する必要がある。

家計簿をつけるのが面倒という人は、電子マネーに決まった金額だけをチャージしてそれ以上は使わない、固定費を引いた残金を「30日+5日(急な飲み会などに備える費用)分」の35で割って、毎日その金額しか財布に入れないなどの工夫をしてみよう。

2 クレジットカード払いをいったんやめる

しっかり家計簿もつけているのにお金が貯まらない人の中に、家計簿の項目に「クレジットカード払い」を作ってしまっている人がいる。

世の中に、「クレジットカード払い」という支出はない。クレジットカードで外食をしたのであれば「外食費」や「交際費」、日用品を買ったのなら「日用品費」だ。
クレジットカード払いは手元からお金が減らないことから、実際にお金を使った意識がないまま使いすぎてしまうリスクをはらんでいる。

クレジットカード払いの請求額に驚いた経験がある人は、一度クレジットカードを封印するか、使い方を見直す必要がある。「お金が貯まらない」と感じているうちは、むやみにクレジットカード払いをするのは避けたほうがいいだろう。

3 先取貯金のシステムを作る

会社の天引き預金制度や銀行の自動積み立てなどを利用して、給与が振り込まれると同時に自動的・強制的に貯金される先取貯金のシステムを作ってみよう。その上で、貯金をしたお金は最初からなかったものとして生活すれば、確実に貯めることができる。

金額は1万円程度など、無理せず続けられそうな設定にしておこう。結局、お金が足りなくなって先取貯金を下ろしてしまうようでは、意味がないからだ。

なお、iDeCoや企業型確定拠出年金を利用すると節税をすることもできるが、今現在貯金が一切ない人にはおすすめできない。なぜなら、確定拠出年金は老後の生活費に特化した資産形成方法で、60歳まで引き出すことができないからだ。
まずは、いざというときの備えとなってくれる現金を貯めることを優先しよう。

4 固定費を見直す

スマホを格安SIMに変更する、民間保険を見直すなど、固定費に削減できる項目がないか確認してみよう。毎月必ず出て行くお金をカットすることができれば、その分を貯金することができる。

なお、最も効果が高い固定費の見直しは家賃だ。しかし、家賃を見直すためには、引越し代や敷金・礼金といった初期費用がかかる。これを貯金ゼロで実現するのは難しい。できることから始めよう。

5 いざというときは使ってもいい「予備費」を作る

貯金がない人がまず貯めるべきなのは、いざというときに生活を守るための「引き出さないお金」だ。毎月2万円貯金していても、3ヵ月に1度5万円ずつ引き出しているようでは、1年間で4万円しか貯まらない。
「貯めたお金を下ろさない」ということも、一人暮らしが貯金を成功させるために必須の条件だ。

しかし、帰省や冠婚葬祭、賃貸住宅の更新など、月々の給料だけではやりくりできない大きな支出もある。そこで、このようなときのために「使ってもいい予備費」用の貯金もしておこう。

この予備費は、普段の給与振込口座とは別の口座で管理したい。口座を複数持つのは面倒かもしれないが、一度使ってしまうとなし崩しになってしまうことも多いため、対策をとっておくことが大切だ。

一人暮らしの貯金、いくらあれば安心?

結局、一人暮らしをしている人の場合、貯金はいくらあればいいのだろうか。これは、多くの人の関心事だが、実際のところ「人による」としか言いようのない問題でもある。

年齢、年収、ライフプラン、月々の生活費など、さまざまな要素によって目指すべき貯金額は変わってくる。しかし、現在まったく貯金がない人であれば、ひとまず「生活費の3ヵ月分」を目指すのがおすすめ。

何らかの理由で会社を辞めた場合、失業保険がもらえるまでには3ヵ月かかる(自己都合退職の場合)。このあいだの生活費がなければ、途端に困窮することになってしまうだろう。
そこで、生活費の3ヵ月分の貯金が役立つというわけだ。

お金を貯める仕組みづくりから始めよう

一人暮らしで貯金がない人はまず、

・固定費の削減
・自動的にお金が貯まる仕組みづくり
・貯金用口座の開設
・クレジットカード払いの中止

といった、「お金を貯められる・管理できる仕組み」などを作るところから始めよう。
「貯金しないとなぁ」と漠然と思っているだけでは、いつまで経っても貯めることはできない。貯金を実現するための行動を起こすことが、将来の貯金残高につながるはずだ。

お金のルールを楽しみながら学べるREISMのマネ活。一緒にはじめてみませんか?
REISMの「マネ活」