サラリーマンでも節税できる!税金対策6つの方法

毎月の給与明細を見ると、支給額から所得税と住民税が引かれていることがわかるだろう。節税というのは、この2つの税金を低くするために行う。税金が減れば、その分手取り額が増える。つまり、昇給しなくても自由に使えるお金が増えるのだ(ただし、節税法によっては目先の手取りが減るケースもある)。
ここでは、税金を減らすために、サラリーマンができる6つの対策を説明しよう。

今日から実践!サラリーマンでもできる節税法

節税なんてサラリーマンには関係がないと思っている人は、もしかしたら払う必要のない税金を払っているかもしれない。
日本の所得税は累進課税になっているため、所得税が高い人は特に、節税対策が大きな効果を生み出す可能性が高い。ここで紹介する6つの節税法をぜひ実践してみてほしい。

1 ふるさと納税

2008年にスタートしたふるさと納税は、今や知名度も高く、多くの人が利用する優れた節税方法。1月1日から12月31日までのあいだに、任意の自治体に対して寄付をすることで、その全額から2,000円を控除した額が、その年の所得税や翌年の住民税から控除される。

具体例を見てみよう。

例:
A市に1万円
B市に5,000円
C市に1万5,000円

合計3市にふるさと納税をした場合、1万円+5,000円+1万5,000円=3万円から2,000円を控除した2万8,000円が戻ってくる。
寄付した自治体数が5ヵ所以内の場合は、確定申告をしない会社員が利用できる「ワンストップ特例制度」を利用すれば、別途確定申告をする必要もないので便利だ。

2,000円については持ち出しとなるが、ふるさと納税をすることで各地の特産品などをもらえる「返礼品」の制度があるため、お得な制度として人気が高い。
ただし、ふるさと納税は節税にはなるが、手取りが増える制度ではない。希望の返礼品がもらえる自治体や、応援したい自治体があるなら利用しよう。

ふるさと納税のメリットは?節税になるというのは本当?

なお、総務省のふるさと納税ポータルサイトでは、家族構成や年齢別に、年間上限額の目安を公開している。このような情報を参考に、自分にとってメリットがある節税額と節税方法を検討してほしい。

総務省|ふるさと納税ポータルサイト|ふるさと納税のしくみ|税金の控除について

2 iDeCo

老後資金形成に役立つiDeCo(個人型確定拠出年金)も、節税方法のひとつとして近年注目を集めている。
毎月一定の額を拠出し、自分の采配で運用することによって資産を増やす。そして将来、年金や退職金として受け取ることができるのだ。

サラリーマンの場合は、毎月1万2,000~2万3,000円の掛金をiDeCoに拠出が可能。この掛金が所得控除の対象となり、所得額から差し引かれる。
税金は課税所得額に税率を掛けて求められるため、控除が増えれば、その分、所得税や住民税が安くなる。その上、拠出した金額を運用して運用益が出ても、所得税・住民税はかからない。

なお、受け取る際は税金がかかるが、退職所得控除や公的年金等控除の対象になるため、会社から退職金が出ない人や、年金額が少ない人にとってはよりメリットが大きい。ただし、勤務先に企業型確定拠出年金制度がある場合は、加入できないこともある。
また、拠出した金額は原則として60歳まで引き出すことができず、拠出の停止はできるが解約は不可。各種事務手数料がかかる点にも注意が必要だろう。

確定拠出年金とは?初心者でもわかるメリットと注意点

3 医療費控除/セルフメディケーション税制

医療費控除とセルフメディケーション税制は、どちらも医療費に対する所得控除で、どちらかを選択して利用する。どちらも家族の医療費を合算して申告できるため、よりメリットが大きいのはどちらか計算してみよう。

・医療費控除
年間の医療費合計が10万円(年収200万円未満の場合、年収の5%)を超えた場合に、超えた金額が所得額から控除される。

上限200万円で、保険金を受け取った治療費などについては、保険金の額を引いた金額が適用となる。

・セルフメディケーション税制
薬局などで購入した対象の医薬品の額が、年間1万2,000円を超えた場合、その超えた金額が控除される
(上限8万8,000円)。
セルフメディケーション税制を利用できるのは、日頃から健康維持のための対策をとっている人だけだが、会社で健康診断を受けている会社員はすべて対象になる。

医療費控除やセルフメディケーション税制には、特別なことをしなくても、支払った医療費を申告するだけで節税できるという大きなメリットがある。ただし、年末調整では申告ができないため、確定申告が必要だ。

4 生命保険料控除等

民間保険に加入している人は、保険料控除が受けられる可能性が高い。控除の対象となる保険は次のとおりだ。

・生命保険
・介護医療保険
・個人年金保険
・地震保険

対象になる保険に加入している場合、年末が近くなると、保険会社から保険料控除証明書が送られてくる。年末調整時に、会社から渡される「給与所得者の保険料控除申告書」に内容を転記して証明書を提出することで、税額が控除される。

なお、控除を受けられる金額は掛金の全額ではなく、一定の計算式にあてはめて算出される。一方、医療費控除のような「一定金額を超える必要がある」という縛りはないため、たとえ掛金が低くても申告しよう。

5 住宅ローン控除

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを組んで自分が住むための家を購入した人や、ローンを組んで居住する家を増改築した人が受けられる控除だ。そのため、該当する人は限られるが、節税効果は非常に高い。年間数十万円もの節税ができるケースもあるため、該当者は忘れずに申告しよう。

控除金額は、借入年度や住宅の種類によって異なるが、年末の住宅ローンの借入残高の0.4~1.2%。今新たに購入した場合、原則1%となる(控除限度額あり)。最初の1年は確定申告が必要だが、その後は年末調整で申告できる。

6 扶養控除

扶養控除は、自身が扶養している人がいる場合に利用できる控除。子供のほか、所得金額が一定以下の配偶者や親なども扶養に入れることができる。
配偶者が産休・育休中、一時的に所得が基準を下回った場合も扶養控除の対象となる。また、親と別居している場合でも、仕送りなどの事実があれば扶養に入れることが可能だ。

これらは年末調整で申告できる。自分から申告しないと控除が受けられないため、該当する場合は忘れずに申告したい。

節税のしすぎに注意!

サラリーマンでも控除の対象になるものをしっかり理解しておくことで、税金対策ができる。しかし、ここで気をつけたいのが、節税をしすぎてしまうことだ。

必要があって利用している生命保険や住宅ローンを申告するだけであれば大きな問題はない。しかし、ふるさと納税やiDeCoを節税目的で利用するのであれば、本当にそれがメリットになるのか考える必要がある。
例えば、年間5万円しか所得税を支払っていない人が、10万円分の所得税の控除を受けようとしても、金額を引ききることができない。こうなると、せっかくの節税対策も意味をなさなくなってしまう。

また、6つの節税法のうち、ふるさと納税とiDeCoはほぼ全額が控除されるが、それ以外は支払った金額の一部しか控除されない。そのため、節税目的で無駄な支出を増やすことがないように気をつけよう。

節税方法を知り、申告漏れをなくす

自分で確定申告することが少ないサラリーマンは、手取り給与のことは気にしても、自分の所得税や住民税の金額を改めて意識することは少ないかもしれない。しかし、サラリーマンでも所得税や住民税を大幅に節税できるケースがある。
まずは、どのような場合に節税できるのかを知り、申告忘れによる税金の払いすぎをなくすことから始めよう。

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