一人暮らしの節約術―1年後に確実にお金を貯めるためのポイント

実家暮らしに比べて、家賃や光熱費などを1人で負担する一人暮らしのほうが、生活にかかるコストは高い。そのため、貯金をしようと思っても、一人暮らしではなかなか貯められないこともあるだろう。しかし、「一人暮らしは節約できない」「貯金は無理」と決めつけてしまうのは間違い。
一人暮らしでも1年後にまとまった貯金を持つために、今日から実践したい節約術をまとめた。

一人暮らしの節約に家計簿は必須?

節約のつまずきの原因となりがちなのが、家計簿。「節約したいけれど家計簿をつけるのは面倒」「家計簿に挫折してしまって節約が続かない」といった話は、お金を貯められない一人暮らしの人から聞くことも多いだろう。
しかし、家計簿をつけたから節約できるというわけではないし、家計簿をつけていない人が節約できていないとは限らない。大切なのは、お金のおおよその流れを把握し、管理すること

例えば、主にクレジットカードを使って生活している人は、クレジットカードと連携できる家計簿アプリを使うことでお金の流れを知ることができる。また、費目ごとや1週間ごとの予算を決めて、現金をそれぞれに袋分けし、その範囲内で生活するという「袋分け家計管理」といった節約術もある。
どちらも、おおよそ月にいくら何に使っているかがわかるし、予算内で生活する習慣が身につけば、貯金をすることもできるだろう。

反対に、使途不明金が多い場合や、給料日前に「今月は思ったよりお金がないな」と感じたことがある人、クレジットカードの請求書の金額に驚いた経験がある人などは、お金の流れを理解できていないことになる。こういう人は、まず家計簿をつけて、お金の流れを把握する必要がある。
自分の月々のお金の流れを把握したら、次に「各費目の節約」を意識してみよう。固定費、変動費に分けて、節約のポイントを解説する。

固定費の見直し

固定費の削減は、一人暮らしの節約に大きな効果をもたらす。面倒に感じるかもしれないが、一度の見直しで継続的な節約効果を得られやすいため、ぜひ実行してほしい。

通信費

自宅用でパソコンなどをインターネットにつなげる際に、従量課金のモバイルルーターやスマートフォンのテザリングを利用している人もいるだろう。固定回線を導入することで通信料が定額になるので、見直すのがおすすめだ。

また、インターネットの固定回線があっても無線LANを導入していない場合は、無線化(Wi-Fi)することで、タブレットやスマートフォンも通信容量を気にすることなく使うことができる。自宅以外でのインターネットの利用が少なければ、スマートフォンの料金プランを低額なものに下げることも可能だ。

なお、大手携帯キャリア独自のサービスは使っておらず、手厚いサポートが不要な人であれば、格安SIMを利用するというのもいいだろう。

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光熱費

電力会社とガス会社は、自分の希望で選択することができる。今のライフスタイルにおける電気・ガスの使い方や契約プランによっては、別の会社を選んだほうが、料金が下がる可能性もある。
インターネットで料金比較のシミュレーションができるサービスもあるので、節約できる会社やプランがないか調べてみよう。

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保険料

生命保険や医療保険、個人年金保険など、保険にはさまざまな種類がある。一度、自分が加入している保険とその保障内容を書き出してみよう。本当に必要な保険だけに絞れているだろうか?

例えば、独身の一人暮らしで養う親族がいない場合、仮に自分が亡くなっても経済的に困窮してしまう扶養家族はいないだろう。そのため、死亡保障を手厚くする必要性は低いといえる。
本当に自分に必要な保障を確保することを意識して、保険の見直しを行おう。

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サブスク料金

音楽や映画などの配信サービスを、定額でいつでも楽しめるサブスク(サブスクリプション)サービス。便利だと思って契約したものの、しばらく使っていないサブスクサービスはないだろうか?

利用していないものにお金を支払い続けることほど無駄なことはない。月に1,000円でも、1年にしたら1万2,000円、10年で12万円だ。本当に必要なときだけお金を支払うのとどちらが得か、あらためて考えてみよう。
併せて、クレジットカードやスマートフォン料金の明細を見返して、使っておらず、無駄になっているオプション契約がないかを確認することも大切だ。

ジム代、習い事代

ジム代や習い事代も、サブスクサービスと同様。入会当初ははっきりとした目的があったり意欲が高かったりしても、「今ではあまり通わなくなってしまった」「もう目的がなく惰性で入ったままにし続けている」という場合には、思い切っていったん辞めてしまうのがおすすめだ。
自分にとって必要であれば、再度入会すればいいだろう。

年払い割引の活用

HK放送受信料や国民年金保険料は、月払いよりも年払い(前払い)にするほうが割安になる。継続的に支払う必要があるものについては、積極的に年払いを利用しよう。

また、自動車保険、バイク保険、生命保険などの民間保険会社の保険料にも、年払い(前払い)で割引が受けられるものがあるため、契約の確認をおすすめする。

変動費の節約

固定費と併せて、変動費も見直しを行おう。「なんとなく買い」や「ついで買い」をしがちな変動費の節約では、ルールを決めることが効果的だ。

自炊をする

外食や中食に比べ、自炊は食費の節約に効果的だ。「一人暮らしなら買ったほうが安い」といわれることもあるが、安くまとめ買いした食材をうまく使い回したり、週末にまとめて調理・保存したりすることで食費を抑えることができるだろう。
「土曜日・日曜日などの休日は自炊をする」「朝食は自炊する」「日曜日は料理の作り置きの日にする」など、自分にとって無理のない自炊パターンを検討してみよう。

ただし、張り切って食材を買いすぎると、腐らせてしまうリスクもある。買いすぎたときは早めに冷凍保存をする、冷蔵庫が空になるまで買い足さないなど、食材を無駄にしないように注意しよう。

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不要なお金を持ち歩かない

財布にお金がたくさん入っていると、ふと見かけた物を衝動買いしてしまうリスクが高まる。
ついついお金を使ってしまうことが多いという人は、必要最低限の額しか財布に入れないようにしよう。

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ネイルやヘアカラーはセルフで行う

ネイルやヘアカラーを自分で行えば、お店へ行くよりも節約になる。楽しみながらチャレンジすることで、セルフネイルをマスターしたり、おしゃれの幅を広げたりもできるだろう。
どうしても自分ではうまくできないという場合は、ネイルモデルやカラーモデルを募集しているお店を活用すると、割安で施術を受けることが可能だ。

節約の自分ルールを作る

節約は、無理に行おうとするとストレスになりかねない。自分なりのルールを作って、「1ヵ月守ることができたら、プチご褒美でお祝いをする」など、楽しみながらできるスタイルを作ろう。
「電子マネーに決まった金額を入金して、それ以上使わない」「週3日以上、ノーマネーデーを作る」「◯◯したら500円を貯金箱に入れる」など、無理なくできそうで自分に向いたルールがおすすめだ。

無駄遣いをなくしてお金を貯めるためのポイント

最後に、無駄遣いを防いでお金を貯めるためのポイントを紹介する。これを参考にして、自分の生活を見直してみよう。

先取り貯金

先取り貯金は貯金の基本。

・あらかじめ決めておいた金額を、収入から先に引いて貯金しておく
・貯金用の別口座へ自分で移す
・定期預金の自動積立で引き落とす

といった方法だ。

すぐに引き出せるお金がなければ使うこともできないし、最初から給料が少なくなると考えれば、翌月の収入をあてにして、クレジットカードを使いすぎることもなくなる。
ただし、やりすぎるとやりくりができずに困ることもあるため、無理のない金額設定を心掛けよう。

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手数料がかかる時間帯やATMでお金を引き出さない

銀行口座から自分のお金を引き出すためにお金を支払うというのは、大きな無駄遣いだ。
自分の銀行口座の提携ATMや手数料が無料になる条件などをチェックして、余計なお金がかからないようにしよう。

ポイントを効率良く貯める

クレジットカードや電子マネーのポイントをうまく活用すれば、生活費がピンチになったときの助けになってくれるだろう。ポイントが貯まりやすいカードを吟味して、効率良くポイントを獲得しよう。ただし、ポイントを貯めることが目的になってしまうような無駄遣いには気をつけたい。

クレジットカードの管理が適切にできずに使いすぎてしまう場合は、あえてポイントをあきらめて現金払いを徹底するほうが、結果として節約につながるケースもある。

iDeCoやNISAで節税しながらお金を運用

資産運用する際には、税制メリットがある国の制度を活用しよう。iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)は、掛金が所得控除の対象となり、運用益は非課税となる。NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)も、運用益が非課税だ。

節約と貯金と資産運用の3つを併せて行うことで、一人暮らしでもまとまった資産を築くことができる。早いうちに始めれば、それだけ節約で得られるメリットも大きくなるため、できることから始めてみよう。

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細かい節約が1年後の貯金につながる

一人暮らしの場合、どうしてもある程度の生活費が必要になる。だが、暮らしの中で細かい節約を積み重ねていくことができれば、将来の大きな貯金につながる。
毎日の生活を見直して、無理なくできるところから節約をしていこう。

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