初心者は少額投資から始めよう!基礎知識とメリット・デメリット

近年、投資が話題に上ることが増えている。特に、時間を味方につけてゆるやかに資産を増やしていく積立投資は、初心者にもおすすめだ。
とはいえ、まとまった余裕資金がないという理由で投資を迷っている人もいるだろう。そこで今回は、100円や1,000円といった少ない額で無理なく始められる、少額投資について紹介する。

少額投資のメリット・デメリット

まずは、少額投資のメリットとデメリットから見ていこう。

少額投資のメリット

そもそも少額投資とは、100円や1,000円などの少額で始められる投資全般を指す言葉。元手が少なくていいということは、それだけ手軽に始められるということでもある。10万円の余裕資金を用意するのは難しくても、100円なら多くの人が無理なく支払えるだろう。

また、投資にはリスクが付き物だが、信用取引を行わない投資であれば、元本以上の損失が出ることはない。つまり、少額投資なら損失もそれだけ限定的になるということ。これは、初心者にとって大きな安心材料になるだろう。

さらに、少額なので投資がどんなものかを気軽に試しやすいのもメリットだ。投資に対して不安を感じている人や抵抗がある人の原因のひとつに、「投資がどんなものかわからない」ということがあるだろう。少額で始めてみることで、投資への不安や疑問を解消しやすくなる。

少額投資のデメリット

少額投資の唯一といっていいデメリットが、劇的な効果を得にくいこと。リスクを抑えた初心者向きの投資を少額で行うとなると、どうしてもリターンは限定的になる。
とはいえ、仮に毎月5,000円を5%で運用した場合、10年後には概算で17万6,411円もの利益が出る計算に(※)。銀行に年利0.001%で預けた場合の利益は30円であるため、その差は歴然だ。

※小数点以下四捨五入、手数料・税金を考慮しない場合の利益

スマホでできる!少額投資の始め方

少額投資は、スマートフォンで手軽に始められる。続いては、スマートフォンから少額投資を始めるにあたっておすすめの方法を2つ紹介しよう。

投資アプリを活用する

証券会社の中には、専用のアプリを用意しているところもある。
アプリでできることは企業によって異なるが、中には口座開設手続きから投資設定、投資履歴の確認などをすべてアプリ上でできるものも。アプリの指示に従っていくだけで投資設定ができるため、初心者でも簡単だ。

証券会社のウェブサイトから口座を作る

利用したい証券会社がアプリ上では口座開設手続きができない場合も、スマートフォンから証券会社のウェブサイトにアクセスすれば、オンラインで口座開設が可能。
特に、ネット証券会社はスマートフォンでも操作しやすく、ネット上での取引に適したサービスがそろっている。手数料も安く、投資商品も豊富なため、新たに投資を始めるならネット証券会社の中から取引する金融機関を選ぶのがおすすめだ。

少額で始められる初心者向け投資商品

投資にはさまざまな手法がある。ここでは、少額から始めやすい初心者向けの投資商品を3種類紹介しよう。どれもスマートフォンで手続きができるため、通勤中などの隙間時間でも売買や投資履歴の確認が可能だ。

積立投資信託

初心者におすすめの投資手法が、積立投資信託だ。複数の投資先に投資する投資信託を積立形式で定期的に買っていく方法で、「毎日100円」や「毎月決まった日に1,000円」など、都合に合わせて積立設定ができる(設定可能な金額や日にちは、証券会社の規定による)。

なお、投資信託にはさまざまな種類があり、それぞれ投資先が異なる。今後伸びそうだと感じるところに投資している投資信託を選ぶのが基本だが、あまりリスクを負いたくない場合は、1銘柄で複数の資産にバランス良く分散投資する「バランス型」の投資信託を選ぶのもいいだろう

ロボアドバイザー

ロボアドバイザーとは、各人の投資スタイルに合わせて、自動で購入商品を選択して投資してくれるサービスのこと。ロボアドバイザー専門のサービスもあれば、証券会社各社が提供しているサービスもある。

自分ではどの投資商品を選べばいいかわからない場合は、ロボアドバイザーを利用してみるのも◎。ただし、ロボアドバイザーは最低投資金額が1万円や10万円となる場合が多い。少額投資とはいえ、ある程度の資金が必要であることと、手数料が高いことは理解しておく必要がある

ミニ株(単元未満株)

株式投資をするのに必要な金額は、購入する株式の金額によって異なる。通常の株は100株単位で取引されるため、1株1,000円なら10万円の初期投資が必要だ。
一方、ミニ株は100株未満でも取引可能で、1株や10株でもOK。上記の例なら、1,000円や1万円で株を買えるため、初心者でも始めやすいだろう。
ただし、ミニ株は取り扱っている証券会社が限られるため、あらかじめ購入できる証券会社を選んで口座開設をしよう。

「少額投資といえばNISA」は本当か?

NISAは、別名を「少額投資非課税制度」という。名前に「少額投資」と入っているとおり、「少額投資といえばNISA」というのは間違いではない。
通常、投資の利益には税金がかかるが、NISAは非課税口座の「NISA口座」を開設し、毎年一定の金額の範囲内で購入した際の利益にかかる税金が非課税になる。つまり、NISAで取引をすれば、利益が出たときに手元に残るお金が増えるのだ。

つみたてNISAは少額投資に最適

NISAには、(一般の)NISAとつみたてNISA、子供向けのジュニアNISA(2023年末で廃止)の3種類がある。このうち、大人の初心者が少額で投資をするなら、つみたてNISAがおすすめだ。
つみたてNISAは、前述の積立投資信託の購入にも利用できる。月3万3,000円(年間40万円まで)の投資なら20年間は利益が非課税となるため、積極的に利用したい。

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NISAは選べる商品が限られる

つみたてNISAで購入できる商品はほとんどが投資信託で、選べる商品は限られる一方、NISAであればミニ株を買うことも可能だ。
また、ロボアドバイザーは、利用するサービスによってつみたてNISAやNISAが使えることもある。希望する投資商品が買えるかどうかはあらかじめ確認しておこう。

なお、NISA口座は開設しただけで手数料はかからないが、開設できるのは一人1口座。NISAに利用する証券会社を変えたい場合は手続きが必要になるため、最初から希望に合った証券会社をリサーチして口座開設するのがいいだろう。

少額投資でコツコツ資産を育てていこう

毎月10万円を5年間、金利5%で運用すると、約680万円貯められる。一方、毎月1万円でも、30年間金利5%で運用すれば、約832万円にもなる。長期間の資産運用には、これだけのメリットがあるのだ。
少額からでも早い段階で始めることで、将来的に大きな資産を形成できる。まずは、投資とはどんなものなのかを確認する意味でも、少額から始めてみてはいかがだろうか。