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確定拠出年金を放置するデメリットは?退職時に必要な手続きを解説

確定拠出年金には、「企業型確定拠出年金(企業型DC)」と「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の2種類がある。このうち、勤務先を通して加入する企業型DCには、「掛金や手数料が会社負担」という大きなメリットがあるが、退職・転職時には注意が必要だ。
退職・転職時に企業型DCを放置することで起こるデメリットや、退職・転職時に必要な手続きについて解説する。

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企業型DCの放置にはデメリットが多数

企業型DCに加入している人が退職・転職する際には、6ヵ月以内に状況に応じた手続きをしなければならない。手続きをせず放置した場合、これまでに拠出した資産が「国民年金基金連合会」に自動移換される可能性があるからだ(ただし、本人名義のiDeCo口座や企業型DC口座がある場合は、そちらに移換される可能性もある)。
国民年金基金連合会への自動移換には、3つのデメリットがある。どれも、将来受け取れる年金額に直結する大きな問題であるため、放置しないようにしよう。

資産が増えなくなる

そもそも、確定拠出年金とは、拠出したお金を自分で運用する年金制度だ。運用先は自分で決めることができ、将来、運用結果に応じた年金を受け取れる。
ところが、国民年金基金連合会に資産が移換されてしまうと、その後の運用ができなくなる。そのため、移換時のまま一切増えることがない。また、新たに拠出することはできず、運用先を指定することもできない。一定の要件を満たさなければ、脱退して現金を受け取ることも不可能だ。
自分で運用して将来の年金を増やすはずの確定拠出年金が、国民年金基金連合会に自動移換されてしまうと、受け取ることも運用することもできないお金になってしまうのだ。

老齢給付金の受け取りが遅れる可能性がある

確定拠出年金の老齢給付金は、原則として60歳になった時点で受け取れる。ただし、加入期間が通算で10年未満だった場合、加入期間に応じて、受け取り年齢が最長65歳まで後ろ倒しになる。
国民年金基金連合会に自動移換後は、確定拠出年金の加入期間に含まれない上、加入から10年未満で自動移換された場合、その分受け取りが遅れるということだ。老齢給付金の受給要件は下記のとおり。

■老齢給付金加入期間と給付金支給開始年齢

企業型DC加入期間 支給開始年齢
8年以上10年未満 61歳〜
6年以上8年未満 62歳〜
4年以上6年未満 63歳~
2年以上4年未満 64歳~ 
1ヵ月以上2年未満 65歳~

また、自動移換された確定拠出年金は、そのままでは受け取ることができない。受け取り前に、個人型確定拠出年金(iDeCo)に移換手続きをとる必要がある。受け取るために手続きが必要になるのなら、退職・転職した時点で必要な手続きをしておくべきだろう。

手数料がかかる

企業型DCが自動移換されてしまうと、必要以上に手数料がかかることもデメリットだ。国民年金基金連合会に自動移換された確定拠出年金はその後増えることがないという説明をしたが、自動移換されると、増えないどころか手数料で目減りしていくことになる。

手数料は自動移換時と、自動移換後4ヵ月経過後から毎月、そして自動移換後iDeCoに移換するときに発生する。

<確定拠出年金の手数料発生時とその金額>
・自動移換時:4,348円(特定運営管理機関への移換手数料3,300円・事務手数料1,048円)
・自動移換後4ヵ月経過後から:52円/月
・自動移換後にiDeCoに移換するとき:3,929円(特定運営管理機関への移換手数料1,100円・事務手数料2,829円)
・自動移管後にほかの企業型DCに移換するとき:1,100円(特定運営管理機関への手数料)

自動移換が行われると、上記の金額が積み立てた資産から差し引かれていく。さらに、自動移換後にiDeCoに移換するときは、通常のiDeCo加入時や移換時の手数料(2,829円)にプラスして特定運営管理機関への手数料が1,100円かかる。特定運営管理機関とは、自動移換された人の情報を管理する機関のことを指す。

企業型DCに加入している人の退職・転職時の手続き

企業型DCに加入している人が退職・転職する際に必要な手続きは、退職後の働き方などによって変わってくる。状況に応じた手続き方法を知っておこう。

転職先に企業型DC制度がある人

転職先がすでに決まっており、その企業にも企業型DC制度があるのであれば、これまでに築いてきた資産をそのまま転職先の企業型DCに移換できる。その後は、転職先の企業で引き続き拠出や積立を継続しよう。もちろん、運用先の変更なども適宜行うことが可能だ。

具体的な手続きは、転職先の企業を通して行うことになるため、入社時の案内を確認しておこう。
なお、転職先に企業型DC制度があったとしても、元々の勤務先の企業型DCと同じ金融機関を利用しているとは限らない。金融機関が変わる場合、取扱商品も変わるため、新たな運用先を検討することになる。

なお、「転職先の企業型DCでは、希望に合った運用先が選べない」といった事情がある場合は、転職先の企業型DCと併用する形で、前の勤務先の企業型DCをiDeCoに移換することも可能だ。この場合、転職先の企業型DCとiDeCoの両方に拠出することも、iDeCoへの新規拠出はせずに運用だけを行うこともできる。

ただし、企業型DCとiDeCoの併用は、企業側が併用を認めている場合のみ利用できる(2022年10月まで。それ以降は原則併用が可能)点と、iDeCoの利用には手数料がかかる点に注意が必要だ。企業型DCでは手数料を企業が負担してくれるため、よほど強い理由がなければ、企業型DCに移換するのがいいだろう。

転職先に企業型DC制度がない人

転職先に企業型DCの制度がない場合や再就職の予定がない人、独立して自営業者として仕事をする人などは、iDeCoに資産を移換することになる。

iDeCo口座を保有していない人は、希望する金融機関でiDeCoの口座を開設し、移換手続きを行おう。手続きには、2ヵ月前後の時間がかかることもあるため、退職後すみやかに手続きを開始することをおすすめする。
詳細な手続き手順については、口座を開設予定の金融機関(もしくはすでに保有しているiDeCo口座の金融機関)で確認しよう。

退職後に転職先を探す人

退職・転職時の選択肢には、企業型DCを解約して「脱退一時金を受け取る」という方法もある。しかし、これは下記の3つの条件をすべて満たす必要があり、ハードルが高いといえるだろう。

退職や転職を機に解約を検討している人

退職・転職時の選択肢には、企業型DCを解約して「脱退一時金を受け取る」という方法もある。しかし、これは下記の3つの条件をすべて満たす必要があり、ハードルが高いといえるだろう。

確定拠出年金の脱退一時金を受け取るための条件
・管理資産が1万5,000円以下
・退職から6ヵ月以内に手続きをする
・手続きをした時点で、企業型DCやiDeCoの加入者・運用指図者ではない

退職・転職時は、企業型DCの手続きを忘れずに

企業型DCに加入している人が退職・転職する際には、状況に応じた手続きをするのを忘れないようにしよう。仕事が変わるタイミングというのは何かと慌ただしく、やらなければいけないことも多い。しかし、手続きを後回しにしてうっかり自動移換されてしまうと、せっかくの資産から多くの手数料が差し引かれることになりかねない。
将来、受け取れるはずの資産を無駄にしないように、それまでの加入期間にかかわらず、早めの手続きを心掛けたい。

※記事内容は2022年1月時点の情報によるものです。

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