「もうしばらく、このままなのかも」―覚悟を決めて快適化計画

宮田華子 
ロンドン在住ライター。メディア製作会社に勤務後、2011年からフリーランスのライターに。デザイン、アート、建築、クラフト等を得意とし、文化&社会問題について日本の媒体に執筆。編集ユニット「matka」として、ウェブマガジンも運営している。2015年にロンドンで小さなフラット(マンション)を購入。日本とは異なる一筋縄でいかない「イギリス・家事情」に翻弄される日々を送っている。 
ウェブ:http://matka-cr.com/ 
インスタグラム:https://www.instagram.com/hanako_london_matka/

※記事内容は2021年1月31日時点の情報によるものです。

寒い日が続くロンドンです。

公園

ロンドン南部ウィンブルドンにある巨大な公園を散歩。この日は曇り空の寒い日でしたが、自然の中でリフレッシュ出来ました。

子供

天気が良いと、子連れで散歩している人が多いです。子供たちも学校に行けず、友達とも会えず、ハードな日々が続いています。

先日(1月24日・日曜)にロンドンに初雪が降りました。

雪

我が家の北側の窓から見た雪景色。

寒い国なのにイギリスにはめったに雪が降りません。たまの雪、かつ週末だったので、浮かれて雪景色写真をSNSに上げている人が多かったです。でも午後にはすっかり雪が解けてしまいました(ちょっと残念)。

コロナ関連以外のニュースがほぼない現在、少しだけ賑やかな話題を振りまいた出来事でした。

年に1~2度しか雪が降らないので、ロンドンのインフラは雪に弱いのです。毎回「明日、電車動くかな?」と心配していましたが、現在は籠り生活なので、雪が降っても電車の心配をしないことに、ちょっと新鮮さを感じました。

今さらですが…仕事机を買いました

このところ思うところあり、家関係のモノを購入したり、少しだけですが家を修理しています。

といっても大した事をしているわけではないのですが、先日机を買いました。

机1

シンプルなデザインが気に入りました。

東ロンドンの小さな会社が作っている机です。

滅多に物を買わない、特に家具は相当考えてからでないと買わない我が家にしては大きな買い物です。

コロナ禍以降、私だけでなく夫のヒトも在宅勤務になりましたが、仕事机を持っていませんでした。すでに持っていた低めの高さのサイドテーブル(&地べた座り)を机代わりにしていたのです。

サイド

ソファー前にあるのが、ずっとちゃぶ台が代わりに使っているサイドテーブル。10年以上前、フラットメイトが処分する寸前に「とりあえずの机」としてもらいました。ボロボロですが直し直し使っています。

我が家は居間と小さな2寝室のフラット(マンション)です。朝起きて、それぞれ別の部屋で仕事を始め、仕事が終わる夜までまったく顔を合わせない生活をかれこれ10カ月以上しています。本当に小さな家なのに、日中のお互いの生存確認はときどき聞こえる廊下を歩く音か、トイレを流す音。奇妙なホームオフィスx2の日々を送っています。

部屋

右手前のドアが私は仕事をしている寝室、左側のドアは夫のヒトが仕事をしている客用寝室。ちなみに右手奥のドアは収納です。ドアが多いのでたくさん部屋があるみたいに見えますが、残念ながらそうではないのです。

時々廊下から変な声も…聞こえます。(インスタに一コママンガを時々アップしています)。

「もうすぐこの“籠り”生活は終わるだろう」とずっと信じていました。

しかし最近、考え方が変わりました。

これだけ厳しい行動制限をしてもなかなか下がらない感染拡大を前に、

「コロナ禍はもうしばらく続く」

そして

「いつかはきっと終息する。でもポストコロナはきっとビフォアコロナとは違う世界なのだろう」

と、実感として思うようになったのです。

早期終息を願う気持ちに変わりはなく、希望はもちろん持っています。でももう少し時間が掛かりそう。であれば今は目の前の現実を受け入れて、日々を大切に、快適に生活したい。ちょっと大袈裟ですが、そんな「覚悟のようなもの」がお腹の底にドスンと落ちてきて、ガッツリ固まった…という感覚があるのです。

急にコロナ禍になって以来、ずっと「間に合わせ生活」でやってきました。でもここで、籠り生活が長期化することを前提に「家の快適化」に本腰をいれ、仕事スペースも整えようと思ったのです。

そこで「机、そろそろ買おうか」となったわけです。長い話でごめんなさい。

机ごときで何だか大袈裟ですね(笑)。

椅子

余談ですが…今回机用椅子も買いたかったのですが、お手頃価格の気に入ったデザインのものが売り切れていたり、なかなか探せず。こちらは当面、ダイニングテーブル用の椅子で「間に合わせ」です。(写真は以前マーケットで見たウィンザーチェア。もうちょっとシンプルな、でも背もたれはしっかりあるものが希望です)

「狭さ」と「人口密度」のハードルをいかに越えるか!?

これまで大物家具はアンティークマーケットで探していました。家具はそう簡単に捨てることができません。手ごろな値段&気に入ったデザインの物と出会えるまで、粘って待ってノロノロと揃えてきました。しかし現在はマーケットはやっておらず、家具店も閉店中。通販で買うしかありません。

マーケット

コロナが終息したら、またアンティークマーケットに行きたいです。

今回の机購入に際し、絶対必須だったのは「折り畳みができること」。

仕事をしないときは片付けてスッキリできないと、もともと狭い部屋&家がますます狭くなってしまいます。

ネットで探すと、シンプルなデザインで手ごろな値段の折り畳み机は結構ありました。数ある中からこの机に決めた理由は、畳んだときに自立するからです。薄く畳んでベッドの下に入れられるのも良いかなと思いましたが、簡単にパタパタと畳め、かつ自立するなら掃除するときも手間なしです。

机自立

畳むと23センチの幅になります。(写真はDeskmateサイトのキャプチャ画面より。© 2021 Deskmate)

そう、掃除。

「掃除」こそ、在宅勤務&籠り生活中の快適を左右するキーポイントなのだと最近実感しています。

夫のヒトが在宅勤務になってから分かったことですが、人口密度と部屋が汚れる速度は比例するのです。

人がいればそれだけ家は汚れます。じっと座って働いているだけなのに、なぜこんなにも汚れるのか…不思議でなりません。しかし「なぜ?なぜ?」といくら思っても、どこかからホコリが降ってきて、そこに人がいるから掃除もしづらく、家はどんどん汚れていくのです。

我が家の救世主「お掃除ロボット」

何とかならないものかなとずっとウジウジ考えているうちに気になりはじめたのが、「お掃除ロボット」のこと。

持っている人が全員声を揃えて「買って本当に良かった!」と言い、家電メーカーの回し者のように懇切丁寧に宣伝している姿をこれまで何度も見てきました。

ロボイメージ

Photo by Kowon vn

そのたびに「私もほしい…かも」と思いましたが、狭い家には贅沢品な気もするし、「あの丸い形で部屋の隅っこまでゴミ取ってくれるのかいな?」という疑問もあって、何年も「買って良かった派」の絶叫絶賛を聞かなかったことをしてきました。

しかし、日中、仕事部屋以外を勝手にロボ様がお掃除してくれて、夕飯を食べている間に仕事部屋を掃除してくださったなら、人口密度問題をあっさり解決できるのではないか?…と気付いてしまったわけです。

時を同じくして、「ロックダウンを機に、お掃除ロボットが売れている」ことも知りました。

なるほど…皆、考えることは同じなのか。

お掃除ロボットを買うことは、日々のストレス軽減と家の快適化につながるかもしれない。

一口に「お掃除ロボット」と言っても、カースト最上位の「ルンバ」から聞いたことのないメーカーまで、価格も吸い込みパワーも機能も様々です。何から調べたらいいかも分からなかったのですが、有難いことに世の中には機能を徹底的に比較解説してくれるYoutuberがたくさんいるのです。参考にしながら勉強していると…

1番参考になった、掃除機専門のYoutubeチャンネル「Vacuum Wars」の動画。お掃除ロボット購入時に検討すべきポイントが良く分かります。英語ですが、日本語字幕機能をオンにすると大体意味が分かる程度には訳してくれます。

1番気になっていた製品が突然セールになったので、「これは運命だ!」と思い、購入しました。

ロボ

買ったのはこちら、「EUFY RoboVac 15C Max」。エコノミー価格帯ですが、Wifi機能が付いているのと、段差と毛足の長いカーペットに対応しそうだったので決めました。

届いてその日のうちに「ここ数年内で買って良かったもの、ダントツNO1」と言い切るぐらい、あまりに素晴らしくて感動しました。びっくりするぐらいホコリを吸ってくれるのです。初回使用時は、「ウチ、こんなに汚かったの?」と驚愕しました。

諸先輩方が「お掃除ロボット素晴らしい!」と絶賛する意味がよ~~く分かりました。

このロボたん(←と命名)1台で、「人口密度による汚れ問題」はほぼ解消。どんなに忙しい日でも、ボタンさえ押せば勝手に動き回ってお掃除してくれるのですから、掃除にまつわるストレスが100分の1ぐらいに軽減しました。


電池切れになると、勝手に「お家(チャージャー)」に戻っていきます。賢い…。そして可愛い…。ペット気分で愛でております。

以前「端っこまできれいにできるの?」なんて思っていたことを、ロボたんに土下座して謝りたい。細長い足をパタパタさせながら、必死にホコリを吸い込み、チリをかき集めお掃除してくださるお姿に、日々感動しています。

しかもロボットだから文句も言わない!(笑)

普通の掃除機も持っていますが、処分してしまっていいかもしれない…と思うぐらい、出番がなくなりました。ワタクシも今では、誰にも頼まれていないのにすっかりロボたんの宣伝マンと化しております。

少しずつDIYにも着手

この他にも、汚れやすいカーペットの上に洗濯可能なラグ(洗濯可能)を敷いたり、長い間懸案事項だった壁のシミのメンテ、北側の部屋の防寒用カーテンの取り付けなど、数年放置していたことに1つずつ着手しています。

結露

冬場はこの結露に悩まされています。

シミ

窓の近くの壁のシミ。毎朝結露を拭き、除湿器もかけているのですが、少しずつ壁に湿気がたまってシミになります。イギリスではよくある問題です。まずはシミ部分に予防液を塗り、その上にペンキを塗らねばなりません。現在手順を勉強しながら材料&情報を集め中です。

こういったことにやっと目が向いたのは、「長期戦を覚悟したこと」の効果かもしれません。

まだまだ外が寒いので、家の中のことをいろいろやるのには良いタイミングです。

ワクチン効果を待ちながら、家の快適化を楽しく取り組もうと思います。

川沿い

家仕事に疲れると、散歩をしたり走ったりしています。近所の橋の上から。どんよりした天気が多いですが、時折こんな青空の日も。

スープ

現在店内営業ができない飲食店ですが、こんな風にストールを出して温かいスープやホットワインを提供して頑張っています。彼らの元気な笑顔にも励まされます。寒い野外で食べる温かい食べ物って、本当に最高です。

皆様も、引き続きお気をつけてお過ごしください。