HOME  >  WORLD LIVING  >  コロナ禍のイギリスで流行ったものとは?|WORLD LIVING ロンドン編 vol.34

コロナ禍のイギリスで流行ったものとは?

宮田華子 
ロンドン在住ライター。メディア製作会社に勤務後、2011年からフリーランスのライターに。デザイン、アート、建築、クラフト等を得意とし、文化&社会問題について日本の媒体に執筆。編集ユニット「matka」として、ウェブマガジンも運営している。2015年にロンドンで小さなフラット(マンション)を購入。日本とは異なる一筋縄でいかない「イギリス・家事情」に翻弄される日々を送っている。 
ウェブ:http://matka-cr.com/ 
インスタグラム:https://www.instagram.com/hanako_london_matka/

※記事内容は2021年3月1日時点の情報によるものです。

先月このコラムを書いたときは、寒さも厳しく、そして感染もなかなか下がらず、の苦しい時期でした。あれから1カ月。ここ2週間ほど暖かい日が続くようになり、感染もガーンと下降しています。たった1カ月ですが、日々の移ろいを感じます。

青空

2月最終週末は青空が見え、木々に花が咲き始めました。

緩和プランが発表に

2月22日の首相会見で、イングランドの「4段階によるロックダウン緩和ロードマップ」が発表になりました。

絵を使って4段階を解説した画像がたくさんツイートされています。(BBC Northamptonのアカウントより)

3月8日にまず学校が再開。ここから少しずつ、慎重に緩和していく計画です。このまま“順調に”感染がさがり、“順調に”ワクチン接種が進み、“順調に”ワクチンが効果を発揮し、新たな変異種が猛威を振るわなければ、6月21日にすべてのソーシャルディスタンス策は解除になります。

しかし言い方を変えれば「最速で6月21日」とも言えます。何か1つでも順調にいかなければ5週間ごとに見直しされ、後ろにズレていく等緩和計画が改定されます。

あと4カ月の辛抱なのか、もう少し遅くなるのかは人々の行動に掛かっています。国全体での大プロジェクトに参加しているのだなあと、会見を見ながら思いました。

もう暫く、大人しく過ごします。

川沿い

この1年、ほぼ家の中で過ごしていましたが、そんな中にも季節があり、トレンドも数多く生まれました。今回は「コロナ禍のイギリスで流行ったもの」を紹介したいと思います。

コロナ禍初期のブレイクは「自宅でサワードゥブレッドを焼く」

昨年3月後半、1度目のロックダウンに入りましたが、当時一気にブレイクしたのは「自宅でサワードゥブレッドを焼くこと」でした。

サワードゥブレッド

サワードゥブレッドとは、天然酵母を使って焼く、少し酸味のあるパンです。「意識高い系」パン屋さんであればどこでも買えます。Photo: Irina Babina

オサレ系ベーカリー「Gail’s」のサワードゥブレッド。とっても美味しいです。

イギリスではサワードゥブレッドがここ数年人気なのですが、コロナ禍を機に「家でサワードゥブレッドを焼いてみよう」と思う人が急増。SNSには毎日サワードゥブレッドの成功&失敗作の写真がガンガン投稿され、スターターの作り方を懇切丁寧に説明する記事もドシドシあがりました。

サワードゥブレッドを科学的に解説する記事も登場。

イギリス人はもともと「ベイキング(オーブンを使って、菓子やパンを焼くこと)」が大好きです。年に1シーズン放送されるベイキング・コンテスト番組『Great British Bake Off』は「国民的番組」であり、優勝者は一気にセレブに成り上ります。

大人気の『Great British Bake Off』。手厳しい審査員のコメントも人気の秘密。

ケーキ等のスイーツ系は割と日常的に作っている人が多いのですが、スイーツへの熱量に比べると、家庭でのパン作りはそれほど一般的ではありません。特にサワードゥブレッドはスターターづくりから始めるのでより手間が掛かり、難易度も高いもの。しかし自宅で過ごす時間が増えたため、多くの人たちが挑戦しトレンドになりました。

サワードゥブレッド作りのオンラインコースも増えました。この手のコースは現在も人気です。

ロンドンで大人気のパン屋さん「Bread Ahead」は、さまざまなオンラインコースを提供中。PVを見ているだけで習いたくなります。パン食べないのに…困りました(笑)。

私も流行りに乗ってみようかと一瞬考えたのですが…実はこの数年、健康上の理由で「基本は糖質制限」の食事をしています。パン作りは楽しそうですが、食べ残してしまってはもったいない…と思い手を付けていません。本当はやってみたいだけにちょっと残念です。

ケーキ

サワードゥブレッドには手を出しませんでしたが、ベイキングにはロックダウン中に手を出しました。こちらは糖質少な目なアーモンドパウダーで作った焼き菓子です。絶対失敗しない「まぜて焼くだけ」レシピを地味に開発中です。

家の中で緑を育てる「アーバンガーデン」

室内のグリーン化も、夢中になる人が多かったことの1つです。

4月~6月にかけて、木々は萌え天気はどんどん良くなります。昨年のこの時期は、イギリス中が1度目のロックダウンに耐えている時でした。非必須店が閉店していた時期でもガーデンショップは開いていた…というのがガーデニングの国・イギリスらしいのですが、庭のある人はせっせとガーデニングに精を出しました。

プランツ

前庭に鉢植えが大量にある近所の家。あまりの鉢植えの多さに、毎回一瞬足を止めてしまいます。

しかし我が家のように庭もベランダもないフラット暮らしの人もたくさんいます。こういった人たちが「外に行けなくても、何とか緑とたわむれたい!」と願い、室内で育てられる植木を買ったり、水栽培を試すなど、室内の緑化を目指したのです。

観葉植物、多肉植物、エアープランツはもちろんのこと…

インドア植物専門のオンラインショップ「Patch」。この手のショップの広告を本当によく見かけます。

居間ガーデン

我が家も多肉植物を増やし、またレタスやキャベツなどの芯を水に浸して芽だしを楽しんだりもしました。

テラリウムやミニグリーンハウスも人気となりました。

ロンドン中心部に店舗も持つテラリウム専門店「London Terrariums」のインスタより。スターターキットも販売しています。テラリウム作りを教えるオンラインコースも人気です。

こちら↓は室内用ミニグリーンハウス。北欧製が主流です。

ミニグリーンハウスはまあまあのお値段です(日本円で10万円ぐらい)。高価な買い物ですが、ずっと品切れが続いていました。

ポストコロナの時代になっても「またいつロックダウンになるやも?」の不安はずっとあります。閉塞感のある日々を長く過ごしているだけに、こういった室内のヒーリングに投資したい人が多いのは納得です。

皆頑張りました…のDIY

DIYはコロナ禍かどうかに関わらず、イギリス人は年間通してやっています。しかし在宅勤務となった人も多かっただけに、特にこの1年、多くの人たちがDIYに力を入れました。ホームセンターは必須店扱いなのでロックダウン中も開いており、一気に仕上げる必要がある壁のペンキ塗りやフローリング工事を行った人が多かったそうです。

B&Q1
B&Q2

大手ホームセンターチェーン「B&Q」 。我が家の近所にあるお店はかなりの大型店。家周りにまつわるありとあらゆるものが販売されており、この中に売っているものだけでたぶん家が建てられます。

このコラムに何度も書いていますが、DIYは私にとって永遠の宿題のようなものです。今の家に引っ越して5年半。そろそろ真剣にメンテに取り組まなくてはならないのですが、コロナ禍で「家の先生・フィル君(当コラム2018年10月掲載)」の指導を直接仰げないこともあり、ずーっとDIY一年生のままです。

そんな私でさえ、コロナ禍を機にようやく重い腰をあげました。

日本では壁はクロス加工した家が多いと思います。こちらはほとんどの家の壁が「漆喰&ペンキ」加工です。

漆喰

我が家の写真はありませんが、こんな感じの漆喰・白壁の家が多いです。

しかしイギリスは日本よりずっと乾燥していることもあり、5~6年たつと漆喰に塗ったペンキにヒビが入ってしまいます。

窓のヒビ

こんな風にペンキ面が割れてしまうのです。どの家に行ってもこんな割れをよく見かけます。

ヒビを埋め、その部分にちょこっとペンキを塗ればメンテ完了、の簡単な作業ですが、我が家には大きな問題がありました。リノベした状態で購入した家なので、壁塗りに使用したペンキのメーカーと色名が分からなかったのです。

漆喰を自分で練るのはそこそこ技術が必要です。こんなチューブ式の漆喰が売っているので、小さなヒビであればこれで埋められます。

ホームセンターのペンキ調色サービスが便利!

ペンキの色は元の色とちょっとでも違うと、ひと塗りしただけではっきり分かります。管理会社に問い合わせしても分からずじまい。適当に見当をつけ、各メーカーからテスト用の小量ポットを取り寄せたものの、同じ色のペンキを探せませんでした。

小さなヒビを直すために、壁全部を塗りなおさないといけないの? 困ったなあ…とずっと悩んでいたのですが、ある時、壁のかけらをもっていくと同じ色のペンキを作ってくれる「調色サービス」が近所のホームセンターにあることが判明。

えっ、そんなことできるの!? と驚きつつ、早速試してみました。

ペンキ1

この写真だと何をしているのか分からないのですが、スタッフが作業している機械がペンキのミキシングマシーン。中にペンキが内蔵されています。持参したかけらをスキャンし、その情報から同じ色のペンキを調色してくれるのです。大きなホームセンターには割とあるサービスなのだと知りました。もっと早く知りたかった…涙。

ペンキ2

ひとまずテスト用の小さなポットを購入。これで約350円。この色で大丈夫であれば、次回、ポットに貼られたステッカー(色情報が記載されている)を持参し、必要な分量のペンキを作ってもらえばよいしくみ。既存のペンキと値段は変わりません。

家に帰って少量を壁に塗ってみました。肉眼では「すこ~~し色が違うかも」と思いますが、写真に撮ると違いが分からないぐらいの精度でした。

塗った後

よ~く見れば「塗りなおしたな」と分かるんですが、現在メンテ中なのは遠目&逆光が基本の窓上部分なのでこれで良しとします。

小さなひび割れを修復するぐらいであれば、このペンキで大丈夫そうです。

これで長年の悩みが1つ解決。他にもメンテ箇所はまだまだあるのですが、暫くはひび割れの修復、頑張ります。

外食が懐かしいこの頃

最近よく「最後に外食したのっていつだっけ?」と思います。近所でのテイクアウトはできますが、レストランやパブ、カフェ等の店内で飲食可能だった日々をとても遠くに感じます。

Roaster

今回のコロナ禍でたくさんのカフェやコーヒーキオスクが閉店しました。時々馴染みのお店がどうしているかググっています。ロンドンの金融街にある大好きなコーヒー店「Redemption Roaster」は現在も元気に営業中。ロックダウン終わったら、行かなくては。

現在の緩和計画では、室内で人と会ったり、店内で飲んだり食べたりすることができるのは “最速で” 5月17日(第3段階の緩和)。まだ少し先ですが、この日を現在のプラン通りに迎えられることを願っています。

天気がどんどん良くなる季節。人がわらわらと外に出てくる時期ですが、ペンキ問題もやっと解決したところなので、私は当面、DIYしながら引きこもりを続けます。

天気が良い週末は公園がこんなに混んでしまい、危険です。3月8日から1名のみ、3月29日からは6名(または人数を限らず2世帯)まで野外で他世帯の人と会うことが可能になります。でもここでワーッと浮かれてはダメですね。

皆様もどうか引き続きお気をつけてお過ごしください。

  • REISM meets Rigna
  • REISM SELECT じぶんらしい暮らし

PAGETOP