ロサンゼルスで初詣ができるってご存知でしたか?

宮原亜矢 
ロサンゼルス在住ライター。ラジオ、雑誌、テレビ、ウェブなど様々な媒体で洋楽(主にロック)を紹介。2000年代前半から毎年1−2回は欧米のフェスやコンサートに足を運び、フォトグラファーを兼任することも。2011年から拠点をロサンゼルスに移すと、米中西部出身のアメリカ人と砂漠で出逢って国際結婚、コンテンポラリーアートを紹介する業務にも着手するなど良い意味で想定外の人生を歩むことに。様々な面で文化の壁、言葉の壁にぶつかりながらもLife Is Beautifulを実感している。 
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World Living読者の皆様、お久しぶりです。久しぶりの投稿になって申し訳ありません。2021年も不要不急の海外渡航はもちろん遠出も自粛。私が暮らすロサンゼルスでは新規感染者や病床数などが少しずつ落ち着き始め、ビジネスはもちろんコンサートなどのエンタテイメントも少しずつオープンし始めた頃に変異株、オミクロンが再び猛威を奮っています。クリスマスや年末年始のホリデーから会社や学校に戻るためにPCR検査を受ける方も大勢いたことも相まってロサンゼルス郡の1日あたりの新規感染者数は一時期4万5000人を超えることもありました。

2022年1月30日時点のロサンゼルス郡における新規感染者に関するデータ。21,709という数字は1月29日にレポートされた新規感染者。右のグラフをご覧いただくとピークは過ぎているものの、相変わらず大勢の方がコロナに罹患しています。それにしても通算263万1,994名という感染者数の多さに言葉が出ません…。

そんなまだまだ密を避けながらの日々ですが、日本人の私としてはハロウィンよりもサンクスギビングよりもはたまたクリスマスよりも大切にしているのが初詣。いやいや何言ってるの、アメリカだし初詣なんて出来ないでしょ?なーんてお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが…実は、初詣、出来るんです。おみくじも英語・日本語表記のものが引けちゃうんです。かく言う私も当初はそんなことつゆ知らず、数年経ってから友人に教えてもらった時には驚きました。

場所はロサンゼルスのリトルトーキョー。あの高野山の米国別院があるんです。除夜の鐘や深夜に開いているとまではいきませんが、元日朝10時に開門して、護摩祈祷も見られるんです。ここだけの話、数年前に開門時間を調べずに初日の出を拝んだそのままの足で向かったら閉門していて、まさかの一番乗りを果たした年もありました(笑)

高野山米国別院は運転しながら探すと見逃してしまうような、車1台分の道幅のドライブウェイを抜けた先にお堂があります。 境内に辿り着く前に、参拝者が行列を作ります。私は開門10分前に到着しましたが既に20名ほどが前に。しかし11時頃になるとその列はかなり伸びて、境内に入るまで30分以上列に並ぶ必要があります。行列に並ぶことを好まないと言われているアメリカ人もしっかり並んでいました

昨年同様境内に入る前にコロナワクチンの接種証明またはPCR検査の陰性証明の提示を求められます。

お守りの授与所。昨年はその場で授かることができず、注文用紙やオンラインで授かりたいものを選んで別日にピックアップの予約を入れなければなりませんでしたが、今年は無事普段通りその場で頂くことが可能に。車を運転するので安全運転のお守りなどを購入しました。お坊さんもマスクをつけて感染予防対策を行なっています。

おみくじはこちらで。くじを引く前に消毒してくださいと促されました。実は最初に引いたものはまさかの大凶(笑)、一緒に行った友人からは「厄を落としたようなものだから決して悪いものではないよ」と慰めてもらいましたが年初をハッピーに始めたくて再挑戦。するとこれまたまさかの大吉でした(笑)波瀾万丈な1年になるのかもしれません

残念ながら堂内の撮影は禁止だったのでご紹介は出来ませんが、開門から1時間後の11時より護摩祈祷やお説法があり、年男や年女の人にはお餅のプレゼントがありました。厳かなだけではなく、どこか近所の集会所のようなほのぼのとした雰囲気が漂うのもちょっといい感じ。南無妙法蓮華経を流暢に発語する英語話者たちの姿に少しばかりいい刺激をもらったりしました。
でも何より御堂の中に入ってお賽銭を入れ、仏像の前で手を合わせることなど、今まで当たり前に出来ていたことが一つもできなかった昨年があったおかげで例年の参拝よりも感慨深いものがありました。

(参照リンク)
高野山米国別院| http://www.koyasanbetsuin.org