コロナ禍でアコースティックギター人気が上がってます

宮原亜矢 
ロサンゼルス在住ライター。ラジオ、雑誌、テレビ、ウェブなど様々な媒体で洋楽(主にロック)を紹介。2000年代前半から毎年1−2回は欧米のフェスやコンサートに足を運び、フォトグラファーを兼任することも。2011年から拠点をロサンゼルスに移すと、米中西部出身のアメリカ人と砂漠で出逢って国際結婚、コンテンポラリーアートを紹介する業務にも着手するなど良い意味で想定外の人生を歩むことに。様々な面で文化の壁、言葉の壁にぶつかりながらもLife Is Beautifulを実感している。 
インスタグラム:https://www.instagram.com/ayarchyintheus/ 
ツイッター:@ayamiyahara

約1年前に私の住むアメリカ・ロサンゼルスがコロナ・パンデミックに見舞われ、当たり前だった日々が突然ソーシャル・ディスタンシングとステイ・アット・ホームのグレイなものに変わってしまいました。
それによって生まれたおうち時間を習い事や新しい趣味、家事などに充てる人も増えましたが、音楽好きの私にとって嬉しいトレンドを発見したんです。

それが、アコースティック・ギター!

米メディアCNBCによると、有名ギター・メーカー、フェンダーはパンデミック期間の売り上げが通常期の17%アップで、今年の売り上げ目標が昨年の約600万ドルに対して約700万ドル(約745億円)となる見込みなのだとか。パンデミックによって世界の90%もの販売店が一時休業を余儀なくされたこともあり、その売り上げを支えたのはオンライン。
エレクトリック・ギターの売り上げも好調らしいのですが、特にアコースティック・ギターやウクレレなどのアンプラグドな楽器。$500(約5万3000円)以下のギターが昨年の3月半ばから10月半ばにかけて92%もの売り上げ増加が見られ、その大部分を締めたのがオンラインで、ビギナーによるアコースティックギター購入者だったそうです。

今年1月末に立ち上がったばかりの少女のインスタグラムから。

楽器店やギターのメーカーなどが積極的にレッスン動画を公開しているのもビギナーに好評らしいですよ。

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ギターセンターがオンラインで開催しているマンツーマンのギターレッスン。なおクラスは30分x4回または60分x4回が選べて$119ー$238。

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フェンダーUSAが2017年から始めているというギターレッスンアプリ、Fender Play。14日間無料お試し期間があるから安心

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同じくフェンダーUSAが開設しているギター初心者のためのサイト。Fender Playのアプリを始める前に、ギターの購入方法(エレキかアコギのどちらを買うべきか、など)やセットアップの仕方などをチャプターごとに開設。こちらを読んで準備を整えてアプリでギターレッスンができるので自宅で一人で始めても安心。なおアプリは年間購読で$89.99。1ヶ月あたり$7.50で1000曲以上の曲からお気に入りを選んで練習が可能。

というわけで、今回はカリフォルニア州発祥で、全米に300店舗を展開する楽器店、ギターセンターを象徴する店舗、ハリウッド店をご紹介します。

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ハリウッドからウェストハリウッド入ってすぐ、サンセット大通り沿いに大きな店舗を構えるこちらの店舗。なんでもこの場所にオープンしたのが1971年。ちょうど50年前ですね。1984年に今の店舗規模、3万平方フィート(約2787平方メートル)に拡大したそうです。

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店舗エントランス前の路面は、Hollywood’s RockWalkといって、ロックミュージシャンを中心とした手形とサインがびっしりと。

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そしてこちらもエントランス。昨年10月に他界したヴァン・・ヘイレンのギタリスト、エディー・ヴァン・ヘイレンのギターが展示されている素敵なエントランス。ロック好きな人ならばこの店舗の中に入る前に目が止まるものが多すぎて既に楽しい!

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店舗に入ってすぐに広がるのが壮観なエレクトリックギターのコーナー。ギターセンターという名前を裏切らないギターの存在感です

ここからまっすぐ進むと…

アコースティック・ギター、プラチナ&ヴィンテージギターのコーナーに繋がるのですが、既に見えているコーナーの入り口の時点で私はテンションが上っちゃいます。

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ギターを4本縦に並べられる程高い天井に、アコースティックギターの温もり溢れる音色を表現したかのようなウッディーな空間。ヴィンテージなレザーのソファやカーペットも雰囲気があっていつまでも過ごしたくなります

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パンデミック期に売り上げがガツッと上ったアコースティックギター初心者向けのモデルたち

そして、最後はこちらご紹介しておきましょう。

この日見つけた最も高額のアコースティックギター。

こちらです。

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え? 見えない?

ではプライスタグを拡大しますね。

ジャジャーーーーーん!

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$49650.97

日本円にして約530万円!

ひゃーーーーーーーーーーーっっっっ

でも、ちょっと待ってください。

このプライスタグの右上を見てください。

レギュラー価格が$79,999.99(約852万円)

なので、約320万円もディスカウント中!

お買い得…ですよ?(笑)

まだまだアウトドアアクティヴィティを思いっきり楽しむことが出来ないロサンゼルスですが、このアコースティックギター人気で一人でも多くの魅力的なミュージシャンや楽曲が誕生してくれることを個人的には期待しています。

(参考資料)
Woods, Bob. “Fender sales boom as guitar playing surges during the pandemic.” CNBC. 21 November, 2020.